【序章】人と組織のニューノーマル(新常態) ~Withウイルス時代の組織開発・人材開発の論点~

【シリーズ序章】

この数か月の振り返りから見えてきたもの

 新時代は、「目に見えない」ものとの闘い、もしくは共存の時代と言えます。
 Covid-19の大流行の行方は、この先どうなるのか、まだ全く見えません。見えない上に、いつまで続くのか、いつ終息するのか、不確かなことばかりです。不確かどころか、想像すらできないことも少なくありません。だから新時代のニューノーマル(新常態)と言っても、今、確定的に言えることなどほとんどないと言っても過言ではありません。
 先が見通せないので、誰もが不安の中にいます。不安を解消しようとしてか、やみくもに“未来予測”に走ろうとする例も散見されます。しかし、先を見通すために必要なのは、まずこの数か月間の振り返りからの考察と考えます。実際に起きた事象の振り返りを行うことで、『原理』を確認できます。どのような分野であってもその分野の『原理』のようなものを理解しておくことで、これから何が起こるかをいち早く見通すことができるのではないかと考えています。

「人と組織」の分野でも、この間に起きた現象から、『原理』を洞察し、敷衍して新時代の企業運営を左右することとなる重要な視点を見出すことにトライしたいと考えました。
 実際、企業の「人と組織」に関して、
・今後どう変わるか
・何が重要になるか
・どのようなことを考えなければならないか
といったことについて、この数か月の経験を通じて、経験したからこそ見えてきたことがあります。現時点では、明確な解決方法までは提示できなくても、少なくとも新時代に向け、何がニューノーマル(新常態)となり得るかの問題提起や方向性の提示はできると感じています。今回からはじまるシリーズ記事では、そうやって見えてきたことを「組織開発・人材開発の論点」として取り上げます。

シリーズの今後の予定

シリーズの今後の予定は下記のように考えています。

第1章:新時代の組織運営においては、言わば「目に見えない」ものを扱う組織開発の重要性がより一層増すということを、新時代の着眼点としてメッセージアウトしたいと思います。

第2章:新時代のチームワークにおいては、チームに必要な要素(ベクトルやプロセスやヒューマン)はこれまでと同じであっても、言葉や数値で表せない「目に見えない」部分を重視したチームづくりが求められることに言及したいと思います。

第3章:新時代の組織の管理職には、「目に見えない」影響力の発揮が求められるようになり、“マネジメント”よりも “リーダーシップ”の重要性が増すことを指摘したいと思います。

第4章:企業の組織運営において、最も「目に見えない」けれども重要なものの一つは、バリューズ(価値観)やパーパスといったいわゆる理念です。新時代には、理念浸透の重要性は、かつてないほど高まることが予想されます。

一方、人材マネジメント・人材開発においても、「目に見えない」ということを前提にした考え方が重要になると考えています。

第5章:パフォーマンス・マネジメントでは、途中のプロセスではなく、結果成果でパフォーマンスを評価していくマネジメントが主流になることが想定されます。「目に見えない」中で納得感のある評価ができるかがカギとなります。

第6章:「目に見えない」ストレス・マネジメントの重要性に言及します。個人においてはストレスのマネジメントの巧拙が、組織においてはストレスに病む人のケアが、決定的に重要になります。

第7章:タレント・マネジメントにおいては、経営陣の育成が重要になります。とりわけ、まだ「目に見えない」ものから、未来の方向性を洞察できる力をどのようにつけることができるがカギとなるといったことについて掘り下げて行きます。

『大切なものは目に見えない』
 これは、言わずもがな、サン=テグジュペリの名作「星の王子様」に出てくる名台詞です。
 新時代には、私達はこの言葉の意味を噛みしめる機会が圧倒的に増えることになると考えています。

シリーズ第1章「新時代の組織開発の着眼点」はこちらをご覧ください。