中国のビジネスシーンで起きていること:広がるリモートワーク- PFC Chinaから

こんにちは、PFC China代表の安田太郎です。2014年にPFC Chinaを立ち上げ、今年で6 年。PFC入社前も中国で数年働き、中国での組織開発、人材育成に長くかかわってきました。

それだけに現在の中国の状況には人一倍心を痛めています。それは、中国にビジネス展開されているクライアントの皆様も同じだと思います。

前回の記事では、中国でSARSを経験したビジネスマンの方たちに聞いたお話を中心にご紹介しましたが、今回は現在広がっているリモートワークについて私なりの考えをお届けしたいと思います。

リモートワークが増えている

中国では、春節休み(1月24日〜30日)が10日延びましたが、2月10日から企業活動が始まっています。ただ、しばらくは、「できるだけ」リモートワーク(在宅勤務)とする企業が多くなっています。今日も上海の町は、人も少なく、多くの方が自宅待機、自宅勤務の状況になっています。

マーサー中国が緊急で行った調査(2020年2月7日)によると、

  • 上海:54%のオフィスは、2月10日以降リモートワーク(在宅勤務)と回答。​
  • 江蘇省:42%のオフィスが、2月10日以降リモートワークと回答。
     (一方、​77%の生産拠点が、2月10日から出勤と回答)​
  • 北京:57%のオフィスが、2月10日以降リモートワークと回答。

また、HR Coffee(WeChat内のグループ)のまとめによると、

  • TikTokで有名なバイトダンスは、2月10日からの勤務開始を2月26日以降に延期。
  • アリババも、2月10日を最低でも1週間延期。​
  • WeChatで有名なテンセントも、2月10日~14日までは在宅勤務としました。
  • そのほか、イケア、ダノン、コンチネンタル、プーマ、マーズ、DNL、ボシュ、ミシュラン、ダウ・ケミカル、AZ、Nike、Adidasは、2月16日まで在宅勤務とし、 DELLは、2月末まで在宅勤務としています。

リモートワークの難しさ

私自身は上海におりますが、既に長年バーチャルチームで仕事をしています。チームのメンバーは、日本、シンガポール、マレーシア、ニュージーランドにいるコンサルタントたち。現在ではほぼスムーズに仕事を進められていますが、当初は大きなチャレンジがありました。

本人にとってのチャレンジ

  • 自己管理できるか? 
  • 能動的に仕事ができるか?
  • メール等の文章だけで分かり易く伝えられるか?
  • バーチャルで人間関係をつくり、強化できるか?

などがあります。

弊社には、在宅勤務で10年以上一緒に仕事を進めている社員が複数名います。「リモートワークは、自由に時間が使えていい」「出勤もなくて楽だろう」と思われがちですが、実際は、孤独であり、自ら情報を発信して相手に届くコミュニケーションを取らなければ、どんどん孤立していきます。
また、自己管理ができないと大きなストレス。誰も見てくれない。自分で自分を管理することが非常に重要に。さらに相手にとって読みやすい文章、受け取り易い心配りが必須になります。

上司にとってのチャレンジ

  • 顔の見えないメンバーとチームになれるか?
  • バーチャル会議で議論を深められるか?

部下がリモートワークになると、管理職の多くは、「さぼっていないか、とにかく気になる」といいます。しかし、管理職が細かく確認をする、いわゆる「マイクロマネジメント」になればなるほど、リモートワークはうまくいきません。時間のほとんどが細かいどうでも良いことにとられ、かつ、メンバーのモチベーションは下がっていきます。リーダーとしての意識を大きく変える必要があります。

組織にとってのチャレンジ

  • どうやって評価するのか?
  • 制度や仕組みをどうするか?
  • コミュニケーションのツールをどうするか?
  • 企業文化をどう作るか?
  • 社員の健康管理は?

などがありますが、特にハード面については、やりながらどんどん変える必要があります。
一例をあげれば、コミュニケーションのツールひとつとっても、最初はいろいろな機能のついたものを使っていましたが、音声が途切れる、音声が聞こえないなど、トラブルが続出し、メンバーも一様にイライラしながらバーチャル会議をしていました。
現在ではSkype、Zoomあたりのアプリが安定して一番使い勝手がよく、ストレスが少ないので、多用しています。

リモートワークの効果を上げるには?

リモートワークは、仕組みでどうにかなるものではなく、一人ひとりの意識改革が必要です。

  1. とにかく簡単な仕組みで始めること。(どのみち途中でより良い仕組み変更せざるを得なくなります。簡単な仕組みで始め、どんどん柔軟に変更していくことです。)
  2. コミュニケーションの基本を徹底する。(信頼関係の構築、ゴールの設定、プロセスの管理など、当たり前のことを当たり前にやることが大変重要になります。小難しいことはやろうとしても無理です。基本の徹底で十分です。)
  3. 「リモートワークは、チャレンジの連続」と腹をくくる。(イライラしそうになったら、笑いながら進める。③は、特に大事です。経験から強くそう言えます:)

一起加油!

PFC Chinaでは上海でサービスを引き続きご提供中です。 ​何かお困りのこと、ご相談されたいことがありましたら、お気軽に安田太郎(pfc@peoplefocus.co.jp)までお問い合わせください。