2020年のPFCの挑戦: 年頭のご挨拶(代表取締役 松村卓朗)

新年あけましておめでとうございます。
旧年中は、皆さま方には大変お世話になり、ありがとうございました。
本年も、昨年に引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
年頭のご挨拶の場を借りて、今年のPFCの挑戦のいくつかをお話させていただきたいと思います。

2020年、いよいよ日本で東京オリンピックが開かれる年を迎えました。この機にオリンピック憲章を見直してみると、近代オリンピックの創始者クーベルタンが提唱したとされるオリンピック精神が明快に書かれてあります。「スポーツを通して心身を向上させ、さらには文化・国籍などさまざまな差異を超え、友情、連帯感、フェアプレーの精神をもって理解し合うことで、平和でよりよい世界の実現に貢献する」というものです。オリンピックの使命が世界平和にあることをあらためて認識し、弊社の使命と同じであることから勝手に親近感を抱くと同時に、夏の到来がますます楽しみになってきました。

2020年の挑戦①:ザンビアでのGIAリーダーの旅の実施

ところで、自国の国旗が初めて掲げられたのが1964年の東京の空だった、というアフリカの国をご存じでしょうか。(大河ドラマ「いだてん」のラストシーンで描かれていたので、ご覧になった方もいるかもしれません。)ザンビア共和国です。
ザンビアは、半世紀前に開かれた東京オリンピックの期間中に英国から独立し、北ローデシアからザンビア共和国となったので、閉会式での行進が、自国の独立を世界に知らしめる、国旗のお披露目の場となったということです。

そのザンビアに、年の瀬も押し迫った12月の半ば、行ってきました。今年は、GIAリーダーの旅を、カンボジアに加えてザンビアでも行う予定でいます。そのための視察と、訪問予定地各所の関係者とのネットワーク作りが目的でした。
GIAリーダーの旅で訪れる予定地をダイジェストで廻ってきましたが、私自身、初アフリカだったこともあり、本当に様々なカルチャーショックを受けてきました。

1964年の独立以来内戦が一度もなく、アフリカの中では比較的政情が安定しているがゆえに、周辺国からのたくさんの難民を受け入れています。北部にあるメヘバという地の難民キャンプを訪れましたが、その規模には度肝を抜かれました。なんと東京23区と同じ大きさというのです。
貧富の差が想像以上に大きいことも、印象に残りました。例えば南アフリカから移住してきたという実業家の郊外にあるお宅にお邪魔しましたが、ほとんど森全体が家と言っても過言ではないほどでした。門から家屋までは車で5分ほどかかり、庭にはシマウマやキリンがいるのが見えました。一方、ほとんどの市民はコンパウンドと呼ばれるスラム街で住んでいて、水や電気もままならない生活をしていました。何等かの理由で親を失ったストリートチルドレンも数多くいて、ほとんどの子供がベンジンが少量入ったペットボトルを抱えており、飢えと寒さを凌ぐために、時折匂いを嗅いで脳を麻痺させているのを目の当たりにしたときには、さすがに言葉を失うほどの衝撃を受けました。

国内の電力の92%は水力発電に頼っているとのことで、世界遺産のヴィクトリアの滝が干からびてしまったことで数か月前から深刻な電力不足に陥っていました。

これだけ多くの社会課題を抱えた国でありながら同時に経済発展も著しく、逆に言うと、新たなフロンティアを探す日本企業にとっても本当に大きなチャンスがあるとも感じました。 失業率は40%近くにも上り、現地では、職を与えてくれる外資系企業への期待も大きなものでした。中国はザンビアの可能性を見出し、既に10万人を超える中国人が住んでいます。 しかし、日本人はわずか250人に留まり、また現地で活躍している日本人の多くはJICAボランティア(青年海外協力隊員)やNPOの人達で、大手で進出し現地法人を設立している日本企業は1社しかないという現状です。
今年のGIAリーダーの旅は、カンボジアに加え、ザンビアでも開催します。御社からも是非、次世代リーダーにふさわしい人材の派遣をご検討ください。一緒に行けることを楽しみにしています。

2020年の挑戦②:グローバルでのソフトスキル・トレーニングの提供拡大

ザンビアを訪れる前に、実はアフリカでもう1ヶ国を訪れてきました。ウガンダです。 ウガンダでは、「元こども兵の人達に、“ライフスキル”(ソフトスキルの一種で、“生き抜く力”)トレーニング」を行ってきました。
正確に言うと、現地語である“アチョリ語”が私は一切できないので、英語で現地トレーナーにTTT(トレーナーズ・トレーニング)を行い、現地トレーナーが実際に現地語でトレーニングを行うのを見てフィードバックを重ねるというものでした。

かねてより支援していたテラ・ルネッサンスという団体から請われ、私達PFCが普段ビジネスパーソンに向けて提供しているコンテンツをアレンジして提供しました。
テラ・ルネッサンスは、元々カンボジアで地雷撤去を行っていた団体です。しかし、地雷を地道に撤去するだけでは平和に向けた根本解決にならないと、戦争をなくすための活動を始め、今はウガンダとコンゴで元こども兵の社会復帰支援に力を注いでいます。ウガンダ現地で職業訓練学校を作り、半年を1クールとして50人ほどの生徒達に、木工大工や洋裁を教えています。生徒達は、子供の頃に反政府軍に誘拐されて10年ほど兵士として前線で戦わされ、内戦が終わって解放されて故郷に戻ってきたという人が多いのですが、言わば被害者でもあり加害者でもあるために、社会復帰には大きな困難が伴うといいます。

今回提供したトレーニング・コンテンツは、問題解決、アサーティブネス(自分の意見を発する)、チームビルディング、といったものをアレンジしたものでしたが、社会復帰のためには、実務的な職業訓練に加えて、こうした“ライフスキル”を身に着けることの必要性が高まっているとのことです。
小学校も出ていない(がゆえに文字も読めない人が多い)受講者の方々に向けて、ゲームや映像をふんだんに取り入れたトレーニングにしましたが、トレーニングの場自体を非常に楽しんでもらえました。そして、何よりこの方が、これから現地のトレーナーだけで実施できるので、持続可能だということをあらためて実感できました。元こども兵と呼ばれる人達は、ウガンダだけで35000人にも上るというので、サステナビリティ(持続可能性)は生命線なのです。私自身、人材教育の大いなる可能性をあらためて感じた経験となりました。

今年はまた、カンボジアでも、現地企業マネジャー向けの“ソフトスキル”トレーニング事業を、SALASUSUという現地で活躍する団体をパートナーとして始めます。
カンボジアでは、例えば進出日本企業の経営陣からは、現地人マネジャーのマネジメントスキル、特にソフトスキルがまだまだ期待されるレベルにないという悩みを聞きます。 40年前のポルポト政権の大虐殺により、学校教育の水準が壊滅的に落ち込んだことも、大きな要因となっているようです。
私達PFCでは、こうして新興国向けに、これまでに培ったノウハウをコンテンツに詰め込んで、そしてまた、現地のニーズに合わせた持続可能な提供の仕方を模索し、有益な人材教育を提供していきたいと考えています。
ビジネスとして成り立たせるにはまだまだ様々なチャレンジが残されていますが、グローバルでのソフトスキル・トレーニングの提供を、飛躍的に拡大する年にしたいと思います。

2020年の挑戦③:新しいビジョンへ

昨年、私達ピープルフォーカス・コンサルティングは、2025年に向けた新たなビジョンを始動させました。「Social OD(ソーシャル組織開発)で経営、および人と組織の未来を切り拓く」というものです。

Social OD(ソーシャル組織開発)というのは私達の造語ですが、これまで携わってきたOD(組織開発)をアップデートしたいと考えています。
OD(組織開発)の狙いは、「組織をより強固に健全に」というものでしたが、Social OD(ソーシャル組織開発)の狙いは、「社会をより強固に健全に」というものです。単に一つの組織・一つの企業のことを考えて組織開発に取り組むのでは、地球そのものが危ないという時代に、まったくもって足りないというのが基本的な問題意識です。社会全体を視野に入れた組織開発によってこそ、真に組織開発が進むという思いがあります。

私達は、十数年前にOD(組織開発)を提唱した際、OD(組織開発)された組織を次のように定義し、5つの柱(下線)を取り組みの領域と定めました。
「優れたリーダーシップによって統率され、効果的なチームワークに支えられ、多様なメンバーが価値観を共有しながら一体となって、変革を推進し、継続的に成功する組織」 Social OD(ソーシャル組織開発)においては、この5つの柱の取り組みの内容も、次のように進化させる必要があると考えています。

今年はまた、私達のビジョンに向かい、また皆さんの企業におけるSocial OD(ソーシャル組織開発)をご支援する取り組みとして、具体的な事例や方法論を数多く皆さんに発信していきたいと考えています。
昨年は、SDGsが世間一般に知れ渡り、その証左にSDGsバッジを胸元につけた方をよく見かけるようになりました。またグレタ・トゥーンベリさんが脚光を浴び、グローバル社会課題への注目の高まりを強く感じた一年ではありました。しかしながら、そのために企業が具体的に何に取り組めばよいのかという点においては、まだまだ議論が成熟しておらず、無理解や混乱が見られ、CSRのみに留まる、あるいは一部の人の活動に留まるといった企業が少なくないようです。
私達は昨年、この分野で先駆的な取り組みを行ってきた世界的に有名なコンサルティング会社であるFSGとの協業を始めましたが、FSGには、たくさんの経験から知見が溜まっていることを実感しています。 ただ、こうした社会課題解決に向けたプロジェクトはこれまで、NPOやNGO、あるいはアカデミズムの世界から関わる人が多く、必ずしも「企業向け」に示唆が整理されていなかったことも、企業の取り組みが進まなかった原因の一つと考えています。今年は、私達PFCが、企業向けにこれらの知見を整理して発信していって、皆さんの活動の一助となりたいと思います。

本年も皆様と、組織開発・人材開発に関する様々な取り組みをご一緒させていただくことを、心より楽しみにしております。
どうぞよろしくお願い致します。

(株)ピープルフォーカス・コンサルティング 代表取締役 松村卓朗