【ジャンゴのちょっといい話】暗黙知を形式知化することで働き方改革促進

ラグビーワールドカップ盛り上がっていますね。日本チームは残念ながら負けてしまいましたが、初の決勝トーナメント進出を果たし、素晴らしい活躍で日本中に興奮と感動をもたらしてくれました。
また日本のラグビーファンやサポーターたちも他国の選手に素晴らしい“おもてなし”の精神で接することで 参加した選手や応援に来られた世界中のラグビーファンに日本の魅力を感じてもらえたのではないかと思います。

そんな素晴らしい面をもった日本ですが、他の世界から学べることもまだまだあるようです。それを具体的に指摘しているのが、エディー・ジョーンズ氏です。2015年のラグビーワールドカップであの南アフリカを倒し奇跡の勝利を挙げたときのヘッドコーチです。今大会はイングランドのヘッドコーチとしてチームを決勝に導いています。2015年のワールドカップ以前の日本の戦績はというと7年連続出場しているもののなんと1勝21敗2分けでした。 彼が2012年に就任してからはというと2013年にはウエールズに23対8で初勝利。2014年にもイタリアに初勝利。彼の就任以降は日本チームは生まれ変わったかのような活躍をみせています。
彼の卓越したマネジメント力と個々の個性を把握し伸ばしていくコーチング力には学ぶべき点が多々あるように思います。
その彼が日本チームを指導していた時の気づきとしていくつかのポイントを指摘しています。

<武士道の弊害>
日本はいまだに精神主義的な色合いが強い。どれだけつらい練習や痛みに耐えられるかといった考えがはびこっている。また伝統や格式、古いしきたりにこだわるがゆえに科学的、合理的な手法をうまく取り込むことができていない。

<スポーツの定義>
戦後の日本においてスポーツは心と体を鍛えるものとして取り組まれてきた傾向があると彼は指摘する。戦後の復興に向けて社会の規律を厳しく落とし込むための道具として使われてきた。その名残で、上位下達の命令で体罰も含め厳しい指導を行うことが未だに行われている。本来スポーツはレクレーションの一種。レクレーションは、より英語の正しい発音的に書くとリクリエイション:RECREATION、つまり再創造という意味。人間がクリエイティブになるために必要な活動を意味している言葉である。仕事や勉強で疲れたときもスポーツをすることでクリエイティブになれる。この本来の意味を理解し、精神主義的な側面だけでなく栄養学、科学、医学的な側面にも目を向けると大きく日本のスポーツ界は変わるとエディーさんは言う。 試合の結果はマネジメントできないが、そこに至るプロセスはマネジメントが可能だ。

エディーさんの上記の指摘は、スポーツ界に限ったことではないように私は思います。料理の世界でも、厳しい修行をつんで一人前になっていく修行のようなことが、至極当然のように今でも行われています。一方で科学的なアプローチで、より合理的に楽しく料理できることにトライしている動きもあります。
京都大学に作られた「日本料理ラボラトリー」では、老舗料亭の一流料理人たちが、科学者と勉強会を設け様々な料理を、科学を駆使して生み出すことに挑戦しています。このアプローチによって今まで暗黙知とされていた料理のコツが形式知化され、より合理的に美味しい料理の仕方を学ぶことができます。
現在多くの企業で取り組まれている働き方改革に関しても、同様にもっと合理的に取り組む方法があると思います。
その一つのアプローチとして私が研修でお薦めしているのが、業務フローの可視化のアプローチです。様々な業務が属人化してしまい担当の方でないとわからないようでは改善は進みません。業務の引継ぎや担当者の育成もスムーズにいきません。可能な限り業務を可視化することでこれらの問題も解決します。プロセスマッピングやフローチャート化がお薦めです。具体例がないとピンとこないと思いますので、私が以前作成したものをサンプルとして紹介します。

<忘年会幹事業務フロー>

上記のように、業務フローと各フローにおけるチェックポイントを可視化しておけば短時間で業務フローの説明も可能になりますし、また先人の知見を反映しながらバージョンアップしたり、時代の変化に合わせて加筆修正したり、新プロセスを再設計することも容易になり大幅な時間短縮につながります。
日本人が苦手だった暗黙知を形式知化することで、気合と根性で残業を減らすのではなく、より合理的にスマートに改革を進めることが可能になります。
まずは頻繁に行うルーティン業務の可視化から始めてみてはいかがでしょうか。