【ジャンゴのちょっといい話:田岡純一】ATD2019のキーワードと、ウィンフリーの基調講演のご紹介<ATD2019レポート(1)>

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今年もワシントンDCで開催されたATD-ICE2019に参加して参りました。88ヵ国から13500人の方が参加、そのうち海外からの参加者は2300名。トータルの参加者は昨年の75周年の記念大会を上回っており、大会への関心の高まりを感じます。

海外からの参加者で人数が多い順に紹介すると
1位 韓国:369名
2位 カナダ:337名
3位 日本:227名
4位 中国:163名
5位 ブラジル:118名
の順となっています。特に韓国の伸びが目立ちます。

今年も300を超えるセッション、400を超えるEXPO、3名の基調講演が行われました。 特に今年多く聞かれたキーワードを列挙すると
・レジリエンス
・フィードバック
・ストーリーテリング
・インテンション
・心理的安全
・アンコンシャスバイアス
・パーソナライズドラーニング&トレーニング
・ラーニングジャーニー
・AI
・AR,VR
・チャットボット
・ハビット ・マインドセット
・ニューロサイエンス
等、多岐に渡っており、タレント開発の取り組みのフレームワークの広がりを感じさせられます。L&Dに従事する私たちもリスキル、アップスキルへの取り組みの必要性を感じながら帰国して参りました。
今日から数回に分けてATD-ICE2019の内容を少しずつご紹介していこうと思います。
第一回目の今日は2日目に行われたオプラ・ウィンフリーさんの基調講演の内容をご紹介します。

Oprah Winfrey オプラ・ウィンフリー

世界的メディアリーダー、慈善家、プロデューサー、女優。25年にわたり司会を務めた「The Oprah Winfrey Show」はアメリカのトーク番組史上最高の番組であると評価され、多数の賞を受賞しています。20世紀以降のアメリカで最も裕福なアフリカ系アメリカ人とされています。
「タイム誌」が世界で最も影響力のある人物の一人として彼女を取り上げています。バラク・オバマへの支持を表明し、オバマ旋風のきっかけとなったと言われています。

Key message

<本当の自分と向き合う>

「オプラ・ウィンフリー・ショー」が25年も続き156ヵ国で放送された理由は「自分らしい表現をすることができるようになった」から。人は皆、自分自身を人間として表現したい。ショーが終わってからミシガンの女性から手紙をもらった話を紹介。そこには「あなたを見て自分自身でありたいと思った」と書かれていました。オプラのようになりたいではなく自分自身でありたい、本当の自分と向き合うことが大事。番組を通して他者のストーリーや考えの中に自分の真実を見つけ共鳴することで「これでよかったのだ」と確認しています。

<Gut feeling(理屈では説明のつかない体の奥から生まれる感覚:本能)に従え>  

ここでは自らの失敗について語りました。南アフリカで女性のための学校を創ろうとしたとき、才能のある生徒を選ぼうと一生懸命になるあまり、学校のリーダーである教師や事務スタッフ選びへの選考に十分な配慮を怠りました。選考時に「何かが違う」と違和感を感じながらも外国人である自分があまりでしゃばってはいけないと思い発言をためらってしまいました。そのことがきっかけで学生が性的被害を受ける事件が起きてしまいました。オプラさん自身が今大切にしていることは迷ったときは心の声(Gut feeling)が聞こえるまで待て、そして今できることに集中すること。

<エゴを表現するのではなく目的や意図をもって行動する>  

「オプラ・ウィンフリー・ショー」をやりながら考えていたことを紹介。ショーを担当しながらどんどん自分の人生が変わっていくなかにあっても「本当の自分であり続けること、そして意図をもって取り組むこと」を大事にしてきました。『The Seat of the Soul: 魂との対話ー宇宙のしくみ人生のしくみ』という本を読んだときに「自分がいいことをしたら、いいことが返ってくる」と書かれていたことにふれ、よい意図があるからよい結果が出るのだということを強調。身近な例として家族関係の話を紹介。自分の旦那様のために食事を作ったが、なんの連絡もなく帰りが遅かったことがありました。最初は「折角の暖かい料理が冷めてしまう」と思いましたが、30分も過ぎるともうどうでもよくなっていました。私は「料理することはあなたへの愛情の表現としてやっている」と伝えました。旦那様は謝り、二度と遅れなくなりました。

<自分の持つ価値を信じ取り組む>  

私たちは今、物事がうまくいくかどうかの岐路に立っています。黙ったまま何もしなければ世界は良くなりません。自分が今いる場所でできることから意図を持って始めることが大事。オプラさん自身も「自分はどうすれば人の役に立てるか(How can I be used to serve you?」と、問いかけながら取り組んでいると語り、自分の持つ価値を信じ、今ここにある自分自身を整えること(ホリスティックな自分: wholeness)を目指して努力して欲しいのです。

Our thoughts and feelings

話の中で目立った言葉は、「Gut feeling(理屈では説明のつかない体の奥から生まれる感覚)」という言葉。自分の感じたことを大切にしなさいという意味だと解釈しました。また「Intention(意図)」という言葉も多く使用していました。ここでいう意図とは、自分自身のやりたいことというよりも世界にどう貢献していきたいか、という意味で使用していたと捉えました。つなげて考えると、自分は世界にどのように貢献できるかをしっかりと考え、その瞬間瞬間に目を向け、直感的に感じたこと、考えたことを大切にしていきましょう、というメッセージになるのではないでしょうか。

幼い頃から性的虐待を受け、黒人女性として様々な辛い経験をしながらも、それを乗り越え、今の自分を築き上げた彼女ゆえに、そのメッセージには説得力と力強さを感じました。

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