【ジャンゴのちょっといい話:田岡純一】新しい習慣を身に着け、悪い習慣を断ち切る方法は?

皆さん、10連休のゴールデンウィークはいかがでしたか?そしてGW中に元号が変わるというスペシャルなイベントつきでした。私は半分はゆっくりと自宅で過ごし、残りの半分はもうすぐ出発するATD-ICE2019の参加準備をして過ごしました。

今日はその準備中に発見した内容について少しご紹介したいと思います。

毎回世界中から選ばれた素晴らしいスピーカー達が刺激的なプレゼンをしてくれることを楽しみにして参加しているのですが、今回発見したのはそのスピーカーの中に有名は“The Power of Habit”(習慣の力)の著者であるチャールズ・デュヒッグ氏がいました。 皆さんはこの本は既に読まれましたでしょうか?脳科学の視点からも貴重な事実や情報が提供されており、とても興味深い内容です。私たちの生活の多くは日々の習慣の繰り返しで成り立っています。そしてその習慣が今の自分を作り出しています。いい習慣を身に着ければいい結果が手に入ります。一方残念な習慣を身に着けてしまうと残念な結果が手に入ります。生活習慣病なんて言葉がある通り、日々の生活習慣の蓄積が現在の自分自身、そのものです。しかし習慣をかえるのは3日坊主なんて言葉もあるようになかなか大変なことです。

とくにどういうわけか悪い習慣をいい習慣に変えることは、頭じゃわかってもなかなかできないものです。そんな悩みに対する解決策を与えてくれるのがこの“The Power of Habit”(習慣の力)です。
以下3つポイントに絞ってご紹介します。

<ポイント 1>習慣はルーティンではなくきっかけと報酬がカギ

これはマウスを使った実験で判明した事実です。 MITの「脳と認知科学研究棟」の実験室において何年もの間ネズミを使ったある実験をしています。ネズミの頭蓋骨にセンサーを入れて、ネズミの脳のなかで起きていることを調べるセンサーを埋め込みます。その後T字型の迷路のはしにチョコレートを置きます。通路の端には仕切りがあり、クリック音がすると同時に仕切りが開きます。するとネズミは通路を行ったり来たりして臭いを嗅いだり、爪で壁をひっかいたりします。突き当りまでくるとチョコレートのある方とは反対行ったり、立ち止まったりを繰り返しやがてチョコレートを発見します。この臭いを嗅いだり、立ち止まったりの動きに一定のパターンはないようですが、この行動をとるときに脳は活発に活動していることに気づきます。研究者たちはこの実験を何百回も繰り返しながら、脳の活動の変化を測定しました。
そうするとネズミの行動と脳の動きに変化が生れます。ネズミはしだいに臭いを嗅ぐこともやめ、間違った方向に進むことも減り早くゴールにたどり着くようになります。この時脳の活動に大きな変化があらわれます。迷路の道筋を覚えるにつれネズミの脳の活動が低下しているのです。無意識で行動するようになるとネズミは考えなくなっているということです。ただしクリックの音とチョコレートにありつけたときは脳は反応をしているのです。
このことからルーティン(通路を進む)ではなく習慣はきっかけ(クリック音)と報酬(チョコレート)にカギがあることが見えてきます。

<ポイント 2>習慣を構成する3要素

習慣は以下の3要素で構成されています。
その3つとは :

  1. Reminder リマインダー:きっかけ、思い出させるもの、トリガー
  2. Routine ルーティン:きっかけに反応して起こる慣例的な行動や思考
  3. Reward リウォード:報酬

良い習慣の具体例:

  • 食事をする(きっかけ)⇒歯を磨く(ルーティン)⇒歯がきれいになる(報酬)
  • ちらかった部屋(きっかけ)⇒掃除をする(ルーティン)⇒部屋がきれいになる(報酬)

中毒的な習慣の具体例:

  • 携帯が振動する(きっかけ)⇒メールを見る(ルーティン)⇒確認して安心する(報酬)
  • タバコが見に入る(きっかけ)⇒タバコを吸う(ルーティン)⇒気持ちが落ち着く(報酬)

良い習慣にしても悪い習慣にしてもこの3要素で構成されていることがわかります。

<ポイント 3>新たな習慣を身に着けるまたは習慣を変えるには

3Rを意識した新しい習慣を身に着ける方法:

STEP1:新しい習慣にはリマインダーと報酬
リマインダーは既に毎日自分がやっている行動をリマインダーにすると効果的です。
毎朝ジョギングをする習慣を身に着けたいと思えば、NHKの朝ドラを見終わったら走るとか新聞取ってきたら走るとかといった感じです。ストレッチで柔軟性を高めたいなら、お風呂から出たら少しやるとか。視覚的なリマインダーも効果的です。例えば朝起きて必ずパソコンの前に座る方はパソコン画面に“スクワット20回”と書いて置くとか。がんばれたら何か自分にご褒美(報酬)をあげる。最初は具体的なものをご褒美であげた方が継続性が高まる。そのうちご褒美がなくてもできるようになる。満たされたときに脳が喜びを感じるエンドルフィンンと呼ばれる脳内物質が分泌されることで欲求が満たされるようになるからです。

一方悪い習慣を断ち切るのは、同じきっかけと同じ報酬を使いルーティンを変える悪い習慣は完全には改められない。むしろ習慣を変えるには、前と同じきっかけで、前と同じ報酬を使いつつ、新しいルーティンを組み込む。例えば間食をやめようとしても新しいルーティンがもとのきっかけと報酬への欲求を満たさなければ失敗することが多い。クッキーは食べるけどクッキーをローファットのものにするとか、喫煙もニコチンへの欲求を感じたときにそれに代わる行為をみつけるとかしなければなりません。

STEP2:簡単にできる行動を選ぶ
ジョギングもいきなり30分、1時間じゃなくて5分、10分からとかスロージョギングから始めるとかとにかく無理なルーティンを選択しないことがポイントです。
悪い習慣を改める場合は、きっかけと報酬が何かを自分に問いかけてみます。喫煙ならなぜタバコを吸う?刺激が欲しい?リラックスしたい?社交術?きっかけと報酬がわかるとルーティンを変えることができます。禁煙ガム、体操、コーヒー等の似たような効果が得られるものを見つけルーティンを変えることで、禁煙に成功した事例は多いようです。

STEP3:リウォード(報酬)を設定する
達成できたらとにかく喜びます。声にだして「やったー!」「あんたは偉い!」「この調子!」ハイタッチしたり、ジャンプしたりとにかく喜びを表現します。
もちろん具体的なご褒美でもOKです。 1週間続けたら大好きなケーキを食べるとか映画をみられるとかを設定するのもOKです。

以上の3STEPを参考にしてみてください。習慣の力の書籍には多くの事例を交え、習慣が形成されるメカニズムや習慣を身に着けるあるいは変えるための事例が多く紹介されています。
もう少し詳しく知りたい方は書籍で確認してみてください。
またYoutubeでも少し確認できます。URLはこちら

いずれにしても今回のATD では、チャールズ・デュヒッグ氏の生の声を身近で聴くことができます。今からワクワクです。
帰国後はその内容も含め皆さんにご報告の機会を設ける予定です。こちらも楽しみにしていてください。