【ジャンゴのちょっといい話:田岡純一】心理的安全性を高めるためのフィードバックの5つのコツ

今日は先日昨年末に実施したマネジメント研修のフォローアップを実施していて、改めて気づかされたことがあったので少しご紹介したいと思います。
その気づきのテーマは“心理的安全性”です。このブログでも以前にご紹介いたしましたが、Googleが2016年に発表した労働改革プロジェクト調査結果で明らかにされた内容です。ちょっと内容をおさらいすると下記の様な発表でした。

    • Google社が2012年に労働生産性の向上を目指すプロジェクトとしてプロジェクトアリストテレスを設立。情報収集と情報分析を得意とする米Google社のチームが約4年の歳月をかけて180のチーム対し調査を実施
    • 人員分析部は大規模なモニタリングを実施し、当初は共通事項が見つからず壁にぶつかる。様々な仮説の検証を行ないやっと要素が見つかる
    • チームの生産性向上には個々のパフォーマンスよりも集団的知性(共同作業により発生する知性)の方が大きな影響力を持つ
    • 集団的知性を高める心理的安全性こそがチームの生産性を高める唯一無二の成功因子であると判明
    • 経営者やリーダー層が意識的に心理的安全性の確保に努めることで、チームパフォーマンスに好影響を与えることができる

以上の内容を踏まえ、チーム内の会議等において安心して意見が言える、本音で語り合える場創りの大切さを再認識して取り組んでいる方も多くおられることと思います。もちろんこの取り組みも大変重要です。ただ今回、私が気づかされたのは心理的安全性を確保するための個別に行うフィードバックの大切さです。
受講生の取り組みの振り返りの内容に、このフィードバックを工夫することで劇的にチームの関係性が良くなったとの意見がありました。その取り組み内容を皆で整理し、うまくいった要因をまとめてみました。

1. フィードバックはタイミングが重要
人間は忘れる動物です。次の面談の機会になんて思っていたら言い忘れてしまったり、もし伝えたとしても印象が弱くその状況を正しく覚えてなくて、なんのことを言われているのかピンとこなかったりします。
タイムリーに「ちょっといい?」と一声かけて、フィードバックを行うことで、具体的で明確なフィードバックが可能になります。

2. フィードバックは評価ではなく常に相手の成長を支援するために行う
半年に1回程度のフィードバックでは、賞与や昇給査定のための場としてとらえられてしまいます。
最近は1on1の面談を毎月実施する企業が増えています。最低でもそのくらい頻度で実施しないとメンバーのモチベーションやパフォーマンスアップにはつながりません。さらに効果的なのは決まった面談日以外でも気づいたことがあればその都度フィードバックを行なったほうがメンバーの成長やモチベーションアップにつながります。

3. フィードバックはSBOフレームで具体的に行う
折角のフィードバックもやり方がまずいと効果的でなくなります。SBOのフレームを活用し具体的に行うことをお勧めします。
S:situation 具体的な場面や状況
B:Behavior その場面で観察された行動
O:Outcome 取られた行動によって生じた結果
良い結果の場合はその行動の継続を促せばよいでしょうし、残念な結果の場合は行動の問題点の確認と期待される改善行動について意見交換すると効果的です。

4. ポジティブなフィードバックを行う
褒めるフィードバックは思ったほど実践されていないのが現状のようです。問題点を指摘することはあっても、意外と正しくできていることは当たり前と思ってただ見過ごしてしまっているケースが多いようです。
上長からのポジティブフィードバックは上長が思っている以上にされたメンバーからしてみるとモチベーションアップや自信につながることが多いようです。
日頃から是非ポジティブなフィードバックを心がけ、習慣化していきたいですね。

5. おまけ:トリセツ
フィードバックのポイントは上記4つなのですが、最後に受講生の取り組みの中にユニークで大変効果がでている内容があったので併せてご紹介します。それは自分自身の取扱説明書をつくってチームで共有しているとのことでした。取り扱い説明書の内容は下記の通りです。

1. 名前(写真)
2. 入社の動機
3. 将来の夢
4. 力になれること(強み)、特技
5. 助けて欲しいこと(弱み)、苦手なこと
6. されたら嬉しいこと(モチベーションスイッチ)
7. されたら嫌なこと(ディモチベーションスイッチ)
8. 大切にしていることやモノ(価値観)
9. 皆に知っておいて欲しいことや、お願いごと(自由になんでも)

以上が“心理的安全性”を高める上で皆さんのお役に立てそうな気づきとして私が得たものをご紹介させていただきました。ただ気をつけていただきたい点として2つご紹介させてください。

留意点1.傾聴が基本
フィードバックの話をしてしまったのですが、大前提として相手の話を常日頃からまずは相手の話を傾聴する。そして相手のことをまず理解しようとする。そのうえで相手に合ったフィードバックを行うという原則は忘れないようにお願いします。

留意点2.問題を起こした人ではなく問題そのものに目を向ける
問題起こした人の責任を追及したり、犯人探しをするような行為は“心理的安全性”を破壊してしまいます。人ではなく問題そのものに目を向け,「なぜその問題を生じたのか、どうすれば防げたのか、そのために今後チームで取り組む具体的なアクションアイテムは?」といった感じでチームで意見交換が進むようなファシリテートを是非お願いします。

今回は“心理的安全性”を高めることをテーマに私自身の気づきを共有させていただきました。
以前にご紹介した無意識に抱く偏見への対応策と併せて、ご活用いただけると幸いです。