クライアントレポートのサマリーをお届けします

PFCは、組織開発のリーディングカンパニーとして、クライアント企業の組織を誘うべき方向性について日々考察しています。そして、未来を見据えた社会情勢やマーケットフォースを鑑み、次の4つの方向性を見出しています。

・より多様に
・よりグローバルに
・よりエンパワーされ
・より社会的に

では、クライアント企業の方々は、組織の現状をどのように捉え、どこを目指そうとしているのでしょうか?
これを確認すべく、2018年の後半に、各業界のリーディング企業の人事部門トップの方々と、対話セッションを行わせていただきました。以下に、そのセッションのレポートの一部をご報告いたします。

より多様に

  • 多様性推進が叫ばれるようになって久しい。しかし、従来は、「女性のための、女性による」取組みに過ぎないなど、本腰入れているとは言い難い企業が多かった。
  • 一方、今回の調査対象企業においては、多様性推進に真剣に取り組んでいる企業がほとんどで、この先5年間には、これらの企業では状況が大きく進展することが見込まれる。
  • ただし、様々な取組みを先進的に行っているような企業においても、経営層に女性や外国人がいない企業が多く、近い将来に変わりそうな様子がない。
  • 多様性推進に本気で取り組んでいる今回の対象企業の多くが人事制度改革に取り組んでいる。異質な人材を投入し、活躍させるためには、新卒一括採用・年功序列・終身雇用からの脱却は欠かせない。
  • 多様性推進の目的がイノベーション促進であるならば、単に属性の幅を広げるだけでなく、インクルーシブな企業文化づくりが必要である。その課題に言及した企業は1社だけであった。

よりグローバルに

レポートでは定量的な評価も行われている

  • 本社機能をどれだけグローバル化するか、人材をどの程度グローバルに配置するか等については、日系企業の間で意見が分かれた。
  • 人材をグローバルに最適配置するには、グローバルに共通な人事制度、そしてその前提となるジョブ制が必要となる。前述のとおり、人事制度改革にすでに取り組んでいる日系企業は多いが、難儀していることが伺える。
  • 人材のグローバル最適配置のためにはグローバルモビリティ制度の有無と実効性が鍵となるが、今回の調査対象企業も含め、日系企業で有効に活用できているところはまだほとんどない。
  • 外資系においては、本社機能を自国に置くことにこだわりはなく、積極的に本社経営陣を多国籍にすることを志向していた。また、グローバルモビリティの仕組みも既に活用されているが、日本人に限ると世界で活躍できている人材は少ないという印象だ。

よりエンパワー

  • 2017年のDeloitte Bersinのリサーチ結果*によると、今後、企業は階層型組織から自主的に行動できるネットワーク型組織に向かうということが断言されている。しかし、今回の対象企業には、そのような明確な方向性は必ずしも見えていない。
  • ほとんどの企業が、ネットワーク型組織(ティール型組織)は研究開発部門に 限って実現可能と考えている。
  • 外資系企業においては、自主運営組織の方法論の1つとしてNo Rating(ノーレイティング)を取り入れているところが増えていたが、多くの日系企業は懐疑的であった。しかし、No Ratingの仕組みには、それぞれの組織長に人材管理を完全に委譲するという特徴があり、企業が数多くの組織の集合体となっていく前段階の1つと考えられる。

より社会的に

  • 近年の傾向として、サステナビリティやESGが重要な経営課題となっている。今回の対象企業の全てが、本業と社会貢献の融合を最大限に目指していくことを断言した。
  • 「本業と社会貢献の完全なる融合」の状態になるには、何が必要だろうか。一部の企業からは、「自社の事業は社会に役立つものであり、これまで同様のことを続ければよい」といった趣旨の発言があったが、PFCはそうとは考えない。これまで行われてこなかった次の3つの取組みが必要と考える。
  1. 時代に照らし合わせ、自社の社会における存在意義(パーパス)を考え抜き、事業ドメインを再定義する
  2. 創造する社会価値をKPI化して、経営目標に落とし込み、財務目標と同等またはそれ以上の重みを持たせる
  3. その非財務経営目標が達成できるよう、社内隅々に浸透させ、かつ社員のマインドセットを醸成する取組みを行う
  • 経済価値と社会価値のバランス、あるいはどちらを先と考えるのかについては見解の違いがあり、各社で突き詰めて考え続けることが必要であろう。

さらに詳しい報告書は次号のPFC Newsletterでお届けする予定です。また、PFCは、今回のダイアログレポートを基に、クライアント各社の皆様と継続して未来の組織の姿に関する対話と探求を行いたいと考えております。対話セッションをご希望の方は、是非pfc@peoplefocus.co.jpまでご連絡ください。