9/1(土)恵比寿ソーシャル映画祭 vol.21「TOMORROWパーマネントライフを探して」開催レポート

9月1日、いつもの恵比寿を飛び出し、初めて茅ケ崎で映画祭を開催しました。茅ケ崎駅の電車ドアの閉まる時のメロディーはサザンオールスターズの「希望の轍」。今回の映画にぴったりの曲でなんだか元気が湧いてきます。駅から歩いて数分の会場は、コーワキングスペース「チガラボ」。チガラボ代表の清水さんは、「ヒトのつながりから、あたらしいことが生まれつづける社会に」をビジョンに掲げて活動しており、そのビジョンに共感した人が集まって日夜様々なイベントが開催されています。

映画祭は昼と夜の2回上映で、合計30名以上が参加の方が来てくださいました。休日の開催ということもあって、上映前に各自の自己紹介、上映後に感想の共有、さらには食事付きの交流会の時間まであり、普段よりさらに掘り下げた深い対話が出来たように思います。また、高校生や元ミュージシャン、起業家など多様なバッククラウンドの方に参加してもらえたのは、チガラボの休日開催ならではかもしれません。そして、そんな方々が集まってみた映画の感想も様々でした。ここでは、当日色んな方の話を聞いて、考えたこと、感じたことを以下にまとめましたのでお伝えします。 

恵比寿ソーシャル映画祭vol.21チガラボ@茅ケ崎

恵比寿ソーシャル映画祭vol.21チガラボ@茅ケ崎

・今のシステムに流されず、出来ることから始めることが大事

映画の冒頭、「このままでは人類は絶滅する恐れがある」という論文の紹介から話は始まります。確かに最近の異常気象や人口増加など、このままではまずいなという気持ちは誰でも少しはあると思います。しかし、だからと言って夏の酷暑の中冷房を使わないわけにはいきませんし、食料不足に備えて野菜を全部自分で栽培するという訳にもいきません。そして、忙しい日々の生活に流される日々が続いてしまう、そんなことはないでしょうか。
そんな現状に対しこの映画では、デトロイト(アメリカ)、トッドモーデン(イギリス)など、近郊農業で成功している都市の事例や、コペンハーゲン(デンマーク)、レイキャビク(アイスランド)など火力、原子力発電を一切行わずに電力を供給している都市などのたくさんの実例を示しながら、まずは一歩を踏み出すことができるはずと後押ししてくれます。特に、トッドモーデンのインクレディブル・エディブル(※みんなの農園)に登場する

普通の女性は「考えてばかりいても仕方ないから、とりあえず野菜を植えちゃおう」という発想で町の真ん中に作物も植える行動を起こすのは爽快なものがありました。

・考えることをあきらめず、市民がもつ力を呼び覚ます

いくらたくさんの実例が出てきたところで日本とは状況が違う、という考えが頭をよぎります。しかし、映画では自分たちで声をあげることで動かすことが出来るはずだと訴えかけてきます。そして、アイスランドが2008年の金融危機に陥った時、権威ある人に頼るではなく、無作為選ばれた市民1,000人が政策提言し、市民による市民の為の憲法を作ったことを例に挙げ、市民のもつ力を取り戻すことが可能だということを現実的な問題として考えさせます。さらに、一般市民に判決を委ねる陪審員制度は色んな国で導入されていることを引き合いに理想論ではないと語られると、現状にどれだけ当事者意識をもてているか、自分ならどんな政策を提言するかを思わず考えてしまいました。

・新しい社会を作るのに大事な2つの教育

映画の最後では、教育の問題にふれ、PISA(国際学習到達度調査)でもっとも優秀な成績を収めたフィンランドの教育が紹介されます。そして、学校での取材で監督の「子供に対して何を一番伝えたいですか」という質問に対し、校長はシンプルに「“寛容”と“思いやり”」と答えています。その答えは、これだけ複雑性が増している現代では明確な正解はなく、相手の考えをきちんと聴き、思いやりをもって接することが大事なのだと私には受け止められ、映画の中でも最も印象深い言葉になりました。

映画の中では他にも広範囲に渡り様々なキーワードが散りばめられており、参加者から「盛り沢山すぎて消化不良になった!」という感想も中にはありました。そのため、私が今回のレポートでお伝えできている内容もこの映画の魅力のほんの一部だと思います。レポートを読んで映画に興味を持った方は、ぜひ映画を鑑賞しまた感想を共有していくことで、子どもの将来について考える人の輪がもっと広がっていくことを願います。