「ものづくりを通じたひとづくり~世界の人々がライフスキルを身につけるまで」

今日の経営では、社会の持続的成長のために企業が事業を通じてどう貢献するかが問われています。PFCのプログラムでも、高い視座と広い視野を持ち、経済価値と社会価値を両立させるビジネスモデルを構築できる次世代リーダーの育成に力を入れています。

クライアントに唱えるだけでなく、自分たちも実践しようというのがPFCです。そこで、私たちは、世界の格差問題に目を向け、貧困層の就職や定着、活躍を促進すべく「ライフスキル研修」の開発と実施に取り組んでいます。これは、国連が定めたSDGsの中では、目標4(包摂的に質が高い生涯学習の機会を提供)と目標8(働き甲斐のある人間らしい仕事)の達成に貢献するものと考えています。

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ライフスキルとは、「日常の様々な問題や要求に対し、より建設的かつ効果的に対処するために必要な能力」のことであり、具体的には次の10を世界保健機関(WHO)はライフスキルの重要項目として挙げています。
1) 意思決定能力
2) 問題解決能力
3) 創造的思考
4) 批判的思考
5) 効果的なコミュニケーション能力
6) 対人関係の構築と維持能力
7) 自己認識
8) 共感する能力
9) 感情を制御する能力
10) 緊張とストレスに対処する能力

先進国では、こうしたライフスキルは学校や家庭を通じて習得していきますが、学校に行くこともままならない途上国の貧困層はそうはいきません。故に、雇用されても、「遅刻する」「すぐに諦める・辞めてしまう」「報告や連絡がない」「問題を解決しようという気がない」といった問題が生じています。途上国に工場を構える日系企業からも「社会人としての基本的なことができない」と嘆く声が聞こえてきます。

そこで、PFCは途上国の貧困層のワーカー向けにライフスキルプログラムを開発しました。開発にあたっては、カンボジアでライフスキル教育をしながらコミュニティファクトリーを運営するNPO法人SUSUとコラボレーションし、現地でヒアリングやパイロットランをしながら作り上げました。

また、研修を安価に提供する仕組みとして、トレーニング経験が少ない方でもトレーナーが務まるような動画教材を主とした仕立てになっています。

PFC、シブサワ&カンパニー、多摩大学大学院の3者で運営するグローバル・エンゲージメント・イニシアチブの次回有志会では、NPO法人SUSUの共同代表である青木健太氏をゲストに迎えます。ライフスキル教育とはどのようなものか、どんな研修効果が出ているのかといった、人材育成の原点ともいえるようなお話を聞くことができます。

当日は、カンボジアからもライブでつなぎ、現地の方とも対話する予定です。人材育成に関わる皆様にはぜひ参加してほしい内容です。

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「ものづくりを通じたひとづくり~世界の人々がライフスキルを身につけるまで」

ライフスキルは非認知能力である。認知能力が学力テストで測れるものである一方、非認知能力はテストで測れないような能力と定義される。非認知能力形成は家庭環境が大きいとされていたが、ノーベル経済学賞を受賞したジェームズ・ヘックマン教授は、10代を超えても伸ばせるスキルであると主張する。また、スウェーデンのエリック・リンキスト氏らの研究によると、非認知能力の賃金への影響は認知スキルの賃金への影響の2.5倍から4倍に及ぶ。(出所:『性格スキルー人生を決める5つの能力』鶴光太郎、祥伝社)

NPO法人SUSUの共同代表の青木健太氏は、技術革新の激しい今日において、途上国のワーカー(非熟練労働者)がライフスキル(非認知能力)を高めることは、専門的スキルを高めるよりも重要であるという。たとえば、縫製工場でミシンの使い方をワーカーが習得したとしても、技術革新により違うタイプのミシンが出てくるかもしれない。すると、「ミシンの使い方」という専門的スキル(認知能力)はとたんに役に立たなくなる。一方、新しいことを覚えようとする力、問題に直面したときに打開する力、目標達成のために頑張る力といったライフスキル(非認知能力)を有していれば、変化に対応していくことができるというわけである。