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【ジャンゴのちょっといい話:田岡純一】2018年ATDカンファレンス・レポート(その1)

2018年ATDカンファレンス・レポート(その1)

taoka_new今年もサンディエゴで開催されたATD-ICEに参加してきました。今回と次回の2回に分けてそのご報告をさせていただきます。

今年の目玉は何といっても前アメリカ大統領バラク・オバマ氏の基調講演でしょう!
今回はその基調講演の様子や内容についてご紹介させていただきます。

基調講演は毎回人気があり早めに会場に行き、並ぶ参加者が大勢います。今回は前日から注意事項が記載されたフライヤーが配布され、セキュリティーチェックがあること、会場で販売されている以外の飲み物は持ち込み禁止、写真撮影、ビデオ撮影の禁止、スマホ以外のカメラやビデオの持ち込み禁止、会場に6時30分前に来ないように等の注意が書かれていました。いつもにはないこの動きに、私たちも通常より早くいかないと会場に入れなくなるのではと思い、6時過ぎには会場に着くよう向かいました。

するとそこにはすでに長蛇の列ができていました。最終的には1万人超の方が参加され、最初の方は4時に会場に来ていたそうです。そして待つこと2時間半、やっと列が動き出しました。今度はセキュリティーチェックかと思いきや、なんとノーチェックで会場内へ。そしてオバマ氏登場!すると禁止されていたはずの写真撮影やビデオ撮影があちこちで始まり、驚き!!後で一緒に参加していたPFC取締役のジョン・マクナルティに訊くと、アメリカ人は「何はしちゃだめ」よりも「何はしても許される」かを考えて行動するからと言われ、またまたカルチャーショック!

ここからは基調講演の内容について紹介していきます。
講演は珍しく、ATDのCEOであるトニー・ビンガム氏がインタビュー形式で質問し、それにオバマ氏が答える形式で進められました。

教育について

オバマ氏自身も、また奥様のミシェルさんも裕福な家庭で育ったわけではないが、教育によってチャンスをつかんだ。
「アメリカという国は教育を通して人に投資する社会だ」と教育の大切さを強調。
家族も社会も人に投資する価値を大切にしなければならない。

レジリエンスについて

2000年に初めて議員選に出て大敗したことから学んだことを例にしてレジリエンスについて語った。
「大切なことは何になりたいかではない、何を成したいかだ」。そのために自分ができることから行動を起こし、続けていれば、周りはそのそこに気づいてくれて支援者が勝手に広がっていく。何を成したいか、そしてそれはなぜなのかの目的がクリアになれば迷いがなくなり、おのずとレジリエンスが持てるようになる。

意思決定と変化について

大統領になれば誰もしたことがないような大きな決断をしなければならない。専門家たちでさえ意見がわかれるときもあるようなケースが多々ある。そんな時は、とにかく多くの人の意見を聴く。専門家や幹部からだけでなく、現場のスタッフの声にも耳を傾け、多くの人の立場を踏まえて意思決定することが大事と語っていた。
そして変化を起こすには次の2つのことが大事と述べた。「多くの情報を得ることに対してオープンであること。」「特に事実にフォーカスする変化は難しく、時間を要することを認識しておく。」

バリュー:価値観

最後は価値観について語った。人の行動、考え方、そしてどう生きるのかといった、あらゆることにおいて価値観が大きな役割を担っていることを強調。自分自身も歳をとるにつれ、自分の親が大事にしていたことが実感できるようになってきたと語り、オバマ氏自身は「人に優しくすること、人の役に立つこと」この2つが全てだと述べた。

未来

世界にはまだまだ多くの問題が山積しており、多くの対立も生まれているが、未来は明るい。トレンドとしていい方向に向かっている。楽観視している。ただ厳密には “Cautiously Optimistic”であるとも述べ、明るい未来は条件付きだと語った。
ジョン.F.ケネディーの言葉を引用し
「人によって引き起こされた問題で人が解決できないものはない」と語り、
「皆がそれぞれの価値観を大切に生きれば明るい未来は必然となる」
「互いを尊重し、より良い社会を創る責任を担い、人に優しく、人の役に立てば、いい人生になる!」
と最後にメッセージを発信した。会場はスタンディングオーベーションで大盛況のうちに幕を閉じた。

全体を通してそんな目新しいことを語っているわけではないが、メッセージ一つ一つが経験に裏付けられた説得力のある内容でした。また親しみやすい表情で言葉を慎重に選びながら話すオバマ氏からは、人柄の良さがにじみ出ており、いまだ多くのアメリカ人達が彼を熱く支持することに納得を得ることができた基調講演でした。