第26回資本主義の教養学講演会

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<第26回公開講演会の概要>

日 時:2018年7月13日(金)19:00-21:00(開場18:40)

会 場:東京大学 本郷キャンパス/東洋文化研究所 3F大会議室
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演 題:人類の未来―-嘘と孤独とテクノロジー

講演者:
吉成真由美(サイエンス・ライター)

マサチューセッツ工科大学卒業(脳および認知科学学部)。ハーバード大学大学院修士課程修了(心理学部脳科学専攻)。元NHKディレクターであり、子供番組、教育番組、NHK特集などを担当。コンピューター・グラフィックスの研究開発にも携わる。
著書に『やわらかな脳のつくり方』(新潮選書)、『進化とは何か』(早川書房)、『知の逆転』、『知の英断』、『人類の未来ーAI、経済、民主主義』(いずれもNHK出版新書)など。

講演概要:
経済や情報がグローバル化し、人類は史上類を見ないほどの相互依存関係にありますが、グローバリゼーションが進むことで、貧困脱出が可能になる一方、社会格差も広がっています。そもそも個人や小さな会社にパワーを与える「民主的なツール」であるはずのインターネットは、広告収益を上げることを唯一の目的とした情報寡占大企業を生み出し、人々を繋げ社会の透明度を上げて行くことで世界を平和に導くはずのソーシャルメディアは、嘘を拡散させ社会を分断するプラットフォームともなっています。

戦略的な嘘の拡散と、理性的な判断を無視し本能的な恐怖に訴える「ポピュリズム」の台頭は、今後個人の「自由と独立の放棄」へとつながっていくのでしょうか。

飛躍的に進化していくテクノロジーは、これからますます分散型になっていくことで、安全性と効率が向上し、エネルギーや水・食料に余剰が生まれ、個人に力を与えて「個の独立」を促し、民主主義を支えることになると期待される一方、個人の努力と責任の割合も格段に大きくなり、「ヴァーチャル世界」や「フィルターバブル」に籠もりがちになって、孤独、孤立が社会に蔓延していくことも予想されます。

さらに、そう遠くない将来人類は、遺伝学、ナノテクノロジー、ロボティックスなどのめざましい進展により、知性、耐性、理解力、記憶力などを飛躍的にのばして、かなり無機的な「ポスト・ヒューマン」に進化していき、自らの進化を自らの手で決定していくようになると言われています。しかしその過程で、人類の約半数は存在意義を見失うだろうとも。

世界的な叡智へのインタビューをまとめた近著『人類の未来–AI、経済、民主主義』をベースに、人間の本質的な性向を踏まえながら、人類の現状と未来の動向を多角的に考察していきます。