「働き方改革再考のためのガイドブック」〜働き方改革に取り組む目的は?

働き方改革支援やキャリア自律支援で、人事の方と密なタッグを組んでワークショップを実施する案件が増えています。3月も、制度の説明を人事の方に担当いただき、議論やスキルアップ、他社の動向の紹介等をPFCが担当するような働き方改革ワークショップをいくつも実施しました。

この記事では、ピープルフォーカス・コンサルティング取締役の山田奈緒子が、働き方改革への取り組みをメインに、ご紹介します。


働き方改革に関する研修やワークショップでは、働き方改革への取り組みは、経営の観点、労務管理の領域、そして社員個々人の裁量や能力開発という視点が交差する領域で、制度や仕組みの整合性や細かな疑問に参加者の関心が注がれてしまって、どのように制度を活用して働き方に関する変革を進めようか、という本質的な議論に入りづらいという場面に何度か遭遇しました。制度の活用法を具体的に考えてみて初めて、制度・取組そのものの理解が浸透するという局面にもなるわけですね。PFCでは、働き方改革をより効果的に進めるためのワークショップ、そして働き方改革やキャリア自立支援の取り組み全体の進め方を引き続き研究していきます。

hatarakikatakaikakuそして「働き方改革」に関するPFCの現時点での知見をまとめた冊子がこちらの「働き方改革再考のためのガイドブック」です。

「働き方改革再考のためのガイドブック」では、社員になかなか本質が伝わりづらい「働き方改革」。人事や事務局の皆さんの共通認識づくりのために活用いただけるツールになればと思い、次のような内容を盛り込んでいます。

  • 働き方改革の進め方
  • 働き方改革に取り組む意義の整理
  • 働き方改革・組織変化チェックリスト
  • 働き方改革:ハード(制度・施策)とソフト(組織風土)成功のキモ
  • PFCの支援事例

「働き方改革に取り組む意義」は、管理職啓蒙や職場の推進リーダーのワークショップでは必ず議論するトピックです。人事・事務局の皆さんは、自社の取り組み理由を明確に伝えることができますか?「働き方改革再考のためのガイドブック」の一部を紹介しましょう。

企業が働き方改革に取り組む目的は一般的に次の5つだとPFCは考えています。

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働き方改革に取り組む目的 1)生産性向上

海外企業と比較した日本企業の生産性の低さが昨今浮き彫りになっています。海外の競合やパートナー、自社の海外拠点と比較して、日本の生産性の低さに愕然とした経営者が本気で働き方改革に乗り出す事例が増えてきています。
生産性向上のネックになっている日本企業の風土は、次のようなものがあります。

  • 残業=熱心で、会社への忠誠心が高い、といった根強い思い込み
  • 各自の仕事の範囲や、目標設定が明確でない傾向
  • 社内外への、過剰なサービス、完璧主義、過剰品質
  • 階層、関係性への過剰な配慮から、根回し(会議以外の場への働きかけ)で意思決定に時間がかかること
  • フェイスtoフェイス(対面)のコミュニケーションを重視し、打ち合わせのための移動に時間を取られること(事業所が地理的に広く分散している海外では、電話やウェブ会議が当たり前)

働き方改革に取り組む目的 2)イノベーション創出

イノベーション創出のモデルや理論は様々ありますが、働き方改革と関連する個人や組織の要因をかみ砕いて表現すると次のようになるでしょう。

  • 大前提として、社員が長時間労働で疲弊することなく、心身ともに健全な状態であること
  • 目の前の仕事だけでなく、新たな知識の獲得や将来のスキルアップに時間が費やせる状態にあること
  • 趣味やボランティア活動、あるいは生活者としての充実した活動によって、仕事以外の視点で外の世界と健全に接触していること
  • 業務において、完全に自由な状態ではなく、期限、リソース、領域などにある程度の制約条件があるとともに、適度にストレッチした目標や期待が課せられていること
  • 職場に、自由闊達で多様な視点からの意見交換をよしとする風土があること

 

働き方改革に取り組む目的 3)少子化対応

少子高齢化に伴い、日本人男性を中心とした人員で回していくのに限界が見えてきています。これまでよりも多様な人材(外国人、女性、シニア、障がい者)を採用・育成し、活躍を推進していかなければなりません。そのためには、子育て、介護、通院をしながら基幹人材として働き、勤め続けることができたる環境を整備する必要があります。それには、さらに、制度や仕組みのみならず、チーム体制、マネジメントのサポート、職場風土などもカギになります。

 

働き方改革に取り組む目的 4)従業員エンゲージメント向上

各種の調査による国際比較で、日本人の従業員エンゲージメントの低さが際立っています。同時に、従業員エンゲージメントが業績向上に寄与することも検証されています。今や、従業員エンゲージメント向上への取り組みは、労働組合からだけでなく、機関投資家からも要請されています。従業員が生き生きと働き、成長を実感し、私生活を犠牲にしていないと感じられることが、エンゲージメントを向上します。

 

働き方改革に取り組む目的 5)グローバル化促進

「グローバル最適」のために優秀人材を獲得し、さらには国境を超えたモビリティ(異動)の必要性が高まっています。しかしながら、スイスのビジネススクールIMDが発表した2017年版世界人材ランキングによると、 調査対象のアジア11カ国中、日本は高度人材にとって最も魅力がない国という結果です。多様な働き方を前提においていない日本の制度や慣行がその要因の1つと考えられています。また、日本特有の人事制度や慣行は、人事制度のグローバル統一化、そしてOne Companyの実現の障害になっています。海外拠点が日本のやり方に合わせるのではなく、日本本社が変わることが今求められています。
%e3%83%81%e3%82%a7%e3%83%83%e3%82%af%e3%82%b7%e3%83%bc%e3%83%88「働き方改革再考のためのガイドブック」では、その他にも、右のようなチェックシートの他、各社での取り組み事例、成功のためのアイデアなどをご紹介しています。
「働き方改革再考のためのガイドブック」をご希望の方はpfc@peoplefocus.co.jpまで、お申し込みください。