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マイクロラーニング×OD(組織開発)の可能性

マイクロラーニングが注目を集めている

2018年1月、弊社PFCの社員が、アメリカ・サンノゼで3日間行われた「ATD Tech Knowledge」のカンファレンスに参加してきました。
そこで得た知見については別の機会に共有したいと思いますが、ATDがこうしてスピンオフで独立したカンファレンスをこうして開催するほど、人材育成業界ではラーニング・テクノロジーへの関心が高まっています。
とりわけ、「マイクロラーニング」が注目を集めており、私達も、その動向に特に焦点を絞って、情報収集を試みました。
昨年5月に行われた本家のATDでも、「マイクロラーニング」に関する個別セッションが目白押しでしたが、今回のATD Tech Knowledgeでもさらに輪をかけて「マイクロラーニング」の可能性を探る話題で持ち切りだったようです。

マイクロラーニングとは

そもそもマイクロラーニングとは何か

マイクロラーニングとは何か、ということをあらためて確認しておくと、「学ぶべきことが細分化され、学習者が隙間時間などを使って学びたいときに学べる学習方法」のことです。最新のテクノロジーやモバイルツールなどと結びつくことで、急速に広がりを見せているわけです。
従来の集合研修等と異なり、忙しい学習者が必要なコンテンツだけにアクセスして気軽に自分のペースで学習できることが、現在のビジネス環境にマッチした学び方だと考えられ、これからの可能性に関心を抱く向きが多いということです。

マイクロラーニングとEラーニングの違い

10年ほど前には「Eラーニング」のブームがありました。残念ながら、学習方法として集合研修等にとって代わるほどの脅威となり得なかったのは、その教育効果にありました。結局のところ、パソコンの前に座って画面上の先生から教わるというだけでは、集合研修で一方的な講義を提供するのと変わりありませんでした。
しかし、マイクロラーニングでは、コンテンツは数分程度で、細切れに必要な部分のみを学べるようになっています。またPCではなく、スマホなどのモバイルツールを活用して、どこでも受講できることを前提としています。さらに、最近は、動画はもちろんのこと、他の参加者の回答などが見れたり、他の参加者と意見交換したりもできるなど、双方向性や相互学習、アクションラーニング的な要素を取り入れられるよう、様々な工夫ができる技術的な進歩が著しいです。

マイクロラーニングへの取り組み

マイクロラーニング事業をカンボジアで

私達PFCでも、昨年、カンボジアでマイクロラーニング事業を始めました。
なぜカンボジアで?とよく聞かれるのですが、実は、マイクロラーニングで提供するしか術がなかったというのが、正直なところです。
まず、研修を提供したくても、拠点でもない限り、カンボジアに行って研修を行うことはそう頻繁にできることではありませんでした。
また、経済格差から、私達も利益を得ていくためには、講師を派遣するのではない方法で提供することが求められました。
さらに、研修の参加者達の中には、文字を読めない人も含まれていて、テキストではなく、動画等を活用した教材を開発せざるを得ませんでした。

しかし、こうした制約条件があったことで、かえって効果的な人材育成の成果をもたらすことができました。実際には、受講対象のすべての人がモバイルを使える環境ではなかったので、マイクロラーニングのコンテンツを使った集合研修を行いました。私達PFCの講師ではなく、TT(トレーナーズ・トレーニング)を受けた現場のリーダーが研修を実施しましたので、現地の自立が一気に進みました。マイクロラーニングのコンテンツを活用したので、リーダー達も安心して研修を提供でき、受講者達もスムーズに理解できたと言っていました。
一度作ったコンテンツは、今後さらに多くの地域に容易に展開できますし、フィードバックやニーズに応じて、遠く離れていても細切れにアップデートしていけます。

マイクロラーニングに適したコンテンツ

こうして、マイクロラーニング事業はまだ緒に就いたばかりですが、今年は、日本でも、クライアントの皆さまから求められることの多いコンテンツをいくつか、マイクロラーニング化することを予定しています。
例えば、「海外赴任前研修」です。
急に海外赴任が決まることも少なくなく、前もって適切なタイミングで集合研修を行えないと言われます。また、海外赴任の時期などもバラバラで、20人といった単位で集めることも難しいと言われます。さらに、赴任前に学んだことを現地に行ってからあらためて見直したい、という要望が多く聞かれる研修です。従って、一人で、いつでもどこでも学べるという設定が必要な、極めてマイクロラーニングで学ぶことに適したコンテンツと考えています。
マイクロラーニングのコンテンツが提供できる準備ができ次第、リリースしていきますので、ご期待ください。

マイクロラーニング×組織開発(OD)の可能性

マイクロラーニングもこれからはファシリテーションが鍵

もちろん、私達PFCがご提供する以上、単にマイクロラーニングのコンテンツを提供するということにとどまらず、クライアントの皆さまの「OD(組織開発)」に資するものにしたいと考えています。
集合研修にとって代わる可能性があるマイクロラーニングを提供しようということは、実は、我々の現在の本業に自らチャレンジする行為でもあるがゆえに、正直、大きな期待を抱くと同時に怖さも感じています。それでもなお、この事業を推進していきたいと考えるのは、マイクロラーニングによって、組織における効果的な学びを是非ともご支援したいという思いとともに、これまでの私達の経験や知見を活かせば、マイクロラーニングによる学習をより効果的にできる、それによって組織開発も促進できるという確信があるからです。

振り返ってみると、私達は、集合研修において、一方的な講義では効果が薄いと考え、ファシリテーションを活用し、受講者同士の対話や、演習を通じた振り返りを重視して気づきを促す研修を、数多く開発して提供してきました。
マイクロラーニングにおいても、同様の試みが欠かせないと考えています。かつて、Eラーニングを導入した企業の皆さまからも、「Eラーニングの学びの場を、集合研修で行ってきたように、どのように活性化したらよいか」というご相談をたくさん受けました。
鍵は、「Web上のファシリテーター」だと考えています。つまり、マイクロラーニングにおいても、私たちのファシリテーション同様、「コンテンツ」を提供するだけではなくて、マイクロラーニングの「場」をいかに効果的にファシリテーションし、活性化できるか、にかかっているということです。私達は、集合研修の場でのファシリテーターとしてこれまで培ってきた知見やノウハウを活かして、これから多くの企業が導入してくであろうマイクロラーニングにおいて、Eラーニングではなかなかできなかった、学びや気づきを最大化するためのご支援をしたいと思っています。

マイクロラーニング化することで組織の暗黙知を形式知に

さらに、マイクロラーニングを通じた組織開発の新たな可能性を探ることが、私達の新たなチャレンジでもあり、皆さまに価値を提供できる大きな機会とも捉えています。

例えば、組織には、個人の中に埋もれてしまっている暗黙知がたくさん存在しています。トップ営業パーソンの知恵、特定の人だけが担当してきたが引き継ぎが必要になった業務、組織に以前から存在している一見無形に見えるノウハウや技術等です。
しかし、そうした知見を皆に共有する時間はなかなかとれないことが多いと思います。そもそも、本人達の知恵や知見を、他の人に共有できるように、学べるような形にできていないことも少なくありません。実際、本人にも自ら整理し言語化できていない場合が多いと思います。
マイクロラーニングのコンテンツにすることは、こうした知見や知恵を共有可能で誰もが学べる形にし、組織に共有することでもあります。既存の研修コンテンツのみならず、こうしたそれぞれの組織独自のコンテンツをマイクロラーニング化していくこともご支援していきたいと私達は考えています。社内に眠っていた知恵や知見を元にして、組織内の学びや意見交換を活性化することによって、組織を大いに強固かつ健全にすることを促進できるのではないのでしょうか。
(ピープルフォーカス・コンサルティング代表取締役 松村卓朗)

マイクロラーニングを用いた組織学習や、既存プログラムのマイクロラーニング化について興味をお持ちの人材開発・組織開発担当者の皆さま、ぜひ一度お話をお聞かせください。お問い合わせはこちらからお気軽にどうぞ。

次回のクライアント限定イベント「元気会」では、ラーニングテクノロジーを活用した組織学習等をテーマに、参加者の皆様と対話していきます。また、1月末にサンノゼで開催された「ATD TechKnowledge Conference」に参加したPFC山口真宏からのレポートもありますのでふるってご参加下さい!詳細・お申込みはこちら