【ジャンゴのちょっといい話:田岡純一】Beのない改革は改革にあらず

taoka_new先週の2月24日の金曜日からプレミアムフライデーがスタートし、政府主導の働き方改革の施策も徐々に具体的に動き出しました。政府や経団連は、毎月最終金曜日の午後3時をメドに従業員に仕事を切り上げさせ、消費を促す「プレミアムフライデー」を実現しようとしています。しかし実際に導入しようとしている企業はどのくらいあるかというと、カルチュア・コンビニエンス・クラブの調査によると仕事をしている18~69歳の男女に聞いたところ「(現在働いている会社は)導入しない」が68.2%、「分からない」が28.3%に対し、「導入する」と答えたのはわずか3.4%。スタートしたばかりなので、正直まだ様子見という企業が多いということでしょうか。

また早く帰宅する会社が増えるってことは、その受け皿となるサービス業の社員は逆に大忙し。休んでいる場合じゃない、むしろ早出して準備に追われるなんて状況も生まれてくるでしょうし、帰宅する会社の社員にとっても急に3時に帰宅していいと言われても、どう過ごしていいんだか迷ってしまう方も多くいることでしょう。

急に習慣を変えるのは大変です。ハードの改革が先行し、ソフト(意識面)が追い付いていない感じでしょうか。
今回はその意識を変えていくために是非考慮していただきたいことについて少し述べてみたいと思います。

それはビジョンの大切さです。この働き方改革が叫ばれるようになり、クライアントの皆さんからも「何かいい方法はないですかね?」「効果的な他社事例があれば是非紹介してください」「我社も月間20時間の残業削減に取り組んでいます」といったような声をよく聞きます。そのたびに私が思うことは以前にもご紹介した “Be Do Have” のBeの欠如です。企業活動でいうBeとは企業理念、ビジョン、行動指針です。DoとはそのBeに向けての具体的な取り組み、活動です。Haveはその活動の結果手に入れる成果、つまり売上、利益、顧客の信頼といったものです。企業活動は、この根幹であるBeに基づいてスタートします。

しかしながら世の中でよく起きてしまっているのが、目先の成果つまりHaveに意識が奪われ、そのための手段、方法を考えて活動してしまうHave→Doの流れです。つまり手段の目的化です。この流れになってしまうと大切なBeへの意識が欠如し、やってはいけないこと、あるいはBeに書かれていることに反する行動を平気でしてしまい、その結果社員のモチベーションの低下、顧客からの信頼を失うといった悲劇を招いてしまいます。この罠にはまってしまった企業活動の事例は枚挙にいとまがありません。働き方改革も同様です。

国からしてみれば “一億総活躍社会の実現” というBeがあってのことでしょうが、ではそれを受けて各企業におけるBeは?働き方改革の自社のビジョンは明確になっているでしょうか?多様な社員の個性を生かす、多様な働き方実現に向けて社員達が「これが達成できたら嬉しい、いい会社になるぞ」と思えるようなビジョンが明確になった上での取り組みになっているでしょうか?“Beのない改革は改革にあらず”です。まずは働き方改革のビジョンを明確にした上で、ハード面(制度や仕組み)、ソフト面(意識、マインドセット)の両面から改革に取り組んでいただければと思います。