カテゴリー別アーカイブ: 安田太郎

アセスメントセンターで海外拠点の現地人材を育成(安田太郎)

dsc_0270_%e5%ae%89%e7%94%b0今月のコンサルタント・インタビューは、PFC China代表のコンサルタント、安田太郎

最近中国で取り組んだアセスメント・センターの事例をお届けします。

アセスメント・センター(评估中心)とは、ご存知のように、専門の評価者(アセッサー)を使って、個々の人材の評価を集中的に行う手法です。企業が社内で実施する場合と、社外の専門のアセスメント・センターに対象者を送り込む場合があります。 管理職層の昇進昇格時、あるいは、中途採用における審査の一貫として用いられることが一般的です。 続きを読む

ハイディラオに学ぶ中国ならではのチーム作り、ひとづくり(安田太郎)

火鍋チェーンを展開する海底撈(ハイディラオ)が制作した「手紙」という感動的な動画をご存知でしょうか?。
http://www.tudou.com/programs/view/JkCsxn2_kvI/

私がハイディラオに注目してきたのは、火鍋の味やサービスレベルの高さもさることながら、その「双手改变命运(自ら運命を切り拓け)」をはじめとする理念に基づく経営をしていることです。
教育や仕事のチャンスに恵まれない農村出身者を雇用し(社員の90%以上が農村戸籍)「自分の人生を自分の力で切り拓いていく」ことを徹底的に応援しているのです。 続きを読む

【安田太郎】「あきらめずドアを蹴破れ!」

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—安田さんがはじめて海外で仕事をしたのは?
中国です。以前にヤオハンに勤めていたのですが、中国で働く日本人の同僚達が、ものすごく楽しそうだった。日本では見せないような顔をして、生き生きと仕事をしているのを見て、自分もいつか中国で働きたいと思っていました。ただ、自分はもうすこし実力をつけてから海外に行こうと思っていましたので、海外勤務の募集には手を挙げませんでした。そうこうするうちにヤオハンが経営破たんに陥ってしまい、海外勤務のチャンスはなくなりました。これはもう自分で中国に行くしかないと決め、まずは留学目的で上海に渡りました。

行ってすぐ、なぜ同僚達が揃いも揃ってあんなに生き生きしているかよくわかりました。生き生きしてないと生きていられない場所なんです。「生き生きする」というのは文字通り「生きる」ということで、「明日の飯を自分で作る」ということ。中国で働く人たちは、ハングリーさが違いました。いい意味で「生き生き」、あえてネガティブに言うと「がめつ」くないと、生き残って行けない社会だったのです。

最初の職場は日系の人材紹介会社でした。中国人と日本人が半々の10人程度のオフィスで、そこでアルバイトをしながら、徐々に中国人気質、中国ビジネスというものを学んで行きました。
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躍動感あふれる上海でファシリテーションが大注目!

 中国でよく目にする「饿了吗(ウーラマ。「おなかすいた?」の意)」のケータリング・バイク。運営しているのは上海拉扎斯信息科技有限公司(Rajax) という企業です。
ウーラマ
 2009年に上海で設立されてから急成長し、現在は年間取引額が12億元(約216億円)。中国全土260都市をカバーし、すでに加盟店は18万社という恐るべき規模に成長しています。上海の町で「ウーラマ」のバイクを見ない日はありません。既にネット企業(腾讯,京东,大众点评)や流通企業(华联)から合計6.3億米ドル(約758億円)もの投資を集め、今後も目が離せない企業です。 続きを読む

ハイディラオ〜農村戸籍者に「機会の平等」を与える企業活動

中国で話題の火鍋チェーン店、海底捞(ハイディラオ)。高いサービス水準で一躍有名になり、直近3年で店舗数は約60から120に急増。東京、池袋にも今年9月に日本進出一号店がオープンしました。これほどまでの急成長を可能にした組織開発と人材開発の秘密については、別の機会で詳しく分析したいと思いますが、今回はハイディラオの企業活動が社会に与える効果について書いてみたいと思います。 続きを読む

ピープルフォーカスの中国流「チーム」の作り方

yasuda_newさて今回は、みなさんが毎日参加されている会議という「チーム」活動について考えてみたいと思います。

決まらない会議
仕事柄、よく顧客先の会議に参加します。中国の会議の特徴として、言いたいことを率直に話すので、議論は盛り上がるのですが、気が付くと時間切れ。決めるべきことが決まらずに終わることが少なくありません。先月のある会議でのこと。来期の売上目標に対して、一人の出席者が持論を述べ始めました。 続きを読む

中国企業の「チーム」の作り方

yasuda_new前回に引き続き、いかにグループをチームにするかを考えてみたいと思います。 先日、中国企業の方々とお話をしていて、中国のチーム作りには、共通するものがあると感じました。それは、「明確な人事理念(人についての考え方)に基づいて、様々な仕組みが整えられている」ということです。そんなの当たり前、と思われるかもしれませんが、その徹底ぶりには驚かされます。 続きを読む

中国の人とチームになれるか?

中国の人とチームになれるか?

中国人の友人と話をしていた時、彼の言葉に、「え、そうだったの?!」と、とても驚いたことがあります。運動会のお話です。中国ではクラス対抗で運動会が行われます。参加できるのは、それぞれの競技で勝てる見込みのある子だけ。「私なんて一度も参加したことがない。お菓子を食べながらずっと見ていた」、というのです。中国では、「いかに勝つか」という観点で、競技に参加する子供が決められていきます。「みんなで力を合わせて」という日本の運動会との違いに、とても驚きました。日本でも、中国でも、家族や地域、学校生活のなかで、自分たちの当たり前(=無意識に正しいと思っていること)が出来上がっていきます。この運動会の話は、ほんの一例にすぎません。 続きを読む

【安田太郎】中国人とチームになる20の方法:その2

ルールを守りたがる日本人、ルールを破りたがる中国人

<ケース>
日夜、生産現場で中国人スタッフと一緒に汗を流して仕事をしている日本人駐在員のBさんです。先日、こんなことがあったそうです。
中国人スタッフに「休憩時間、10分です」と伝えたところ、10分たっても戻ってこず、15分たってやっと戻ってきたそうです。あまりにも時間に無頓着に見えたため、「休憩時間は10分と伝えましたよね」と問い詰めると、「10分というのは、休憩室での時間であり、移動時間は関係ないはず」とのこと。交渉の末、移動時間も含めて12分にしたといいます。しかし、なんだかすっきりしないBさん。「このやり方でよかったのでしょうか?」

<解説>
ご存知の方も多いと思いますが、中国人のルールに対する考えを表すものとして、「上に政策あれば、下に対策あり(上有政策、下有対策)」という表現があります。ただこの言葉、ルールを破って悪さをしよう、という意味ではありません。むしろ、ルールをきちんと理解して、いかに成果を上げるか、知恵を絞って考えよう、と解釈すべきでしょう。

中国に留学していた時代に、大学教授に「中国人はルールをどのように考えているのか?日本人からみると、あまりにもルールを守らない人が多い」と質問したところ、「打擦辺球(エッジボールを打つ)」という言葉を教えてくれたのを思い出します。エッジボールとは、卓球で相手が打ち返せないように、テーブルの端(エッジ)を狙う打ち方です。教授は、「いかにルールを大きく逸脱しない形で、利益を最大化させるか?これを常に考えて行動し、結果を出す。こういう人を認める社会なのです。」と教えてくれました。
日本人からすると、なんともしっくりこない話かもしれません。それは、勝ち負け、のみならず、そこにいたるプロセスの正しさ、また美しさにより目がいくからではないでしょうか?事実、中国の日系企業でよく聞かれる中国人社員の声には、「日本人は、細かいことばかりに口出しする」、「あら捜しばかりして、部下を責める」、「自分たちのやり方が常に正しいと思っている」などがあります。ルールを守って欲しくて言っているにも関わらず、このような反応をされることが少なくありません。では、どのようにすればいいのでしょう?

<処方箋>
ルールを考える際のポイントは、3つあると思います。
(1)ルールの意義や成果とのつながりを論理的に伝える
(2)細かくルールを設定するより、成果を追い求める仕組みにする
(3)ルールは複数の選択肢から選ばせる

一つ目のポイントは、ルールの意義や成果とのつながりを論理的に伝える、です。

言うまでもないことですが、「ルールを守ること」それ自体が目的ではありません。ルールを守ることで最大の成果をより効率よく、より確実にあげることに、その目的があります。したがって、なぜそのルールが必要なのか?そのルールを守るとどんな良いことがあるのか?なぜそれが成果につながるのか?などを、筋道立てて伝えることが欠かせません。

先日、ある日本人総経理とお話する機会がありました。この会社の食堂では、割り箸はなく、自分の箸を使うというルールがあります。社員が割り箸を使う場合は、お金を払います。さらに、食べ残しを許しません。食べられる分だけを注文することを徹底しています。食器を片付ける際、すべてテレビカメラで録画し、食べ残しした人は、具体的な罰則はありませんが、総務部から警告がいきます。反発を招きそうなルールですが、「自社ビジョンは環境に配慮した製品を作り、企業ブランドを高めること」であり「環境に配慮する・無駄を出さないということを日常の行動から意識づけ、徹底してもらうためのルールである」「このルールを守ることで、一人ひとりの基本行動が徹底され、生産工程でのムダが排除され、製品コストが低減し、その結果利益向上、ひいては給与に反映される」ということを、ことあるごとに社員に自分の言葉で伝えているそうです。
食堂の例はあくまでその一つの取り組みで、そのほか、教育プログラム、人事制度、福利厚生制度、全てがこの会社が目指すビジョンに向けたものになっています。一つ一つのルール、取り組みのすべてがつながっているということを社員一人ひとりが理解し、しっかりと受け入れられていました。

二つ目のポイントは、細かいルールを設定するより、成果を追い求める仕組みにする、です。

あるデータ入力を専門にした中国企業での取り組みを紹介しましょう。
この企業では、仕事の効率を上げるため、「私用電話とメールの禁止」を徹底しようと考えました。とは言え、仕事のメールなのか、個人のメールなのかをいちいちチェックするわけにも行かず、こんな仕組みを考えました。
・ノルマを超えた時点から成果給を加算
・休憩はあらかじめ決まった休み時間のみとする(午前中1回、昼食時間、そして午後に1回の計3回)
・これ以外の休憩は自由で携帯電話も好きな時間にかけることができるが、作業をしているパソコンの前ではなく、外でかける
この仕組みによって、休み時間以外に私用電話をかけると、作業時間が減り、自分の給与に影響が出るようになったため、決まった休憩時間以外の休憩はほとんどなくなり、携帯で友人と話す人も皆無に。一人ひとりが以前より熱心にデータの打ち込み作業に取り組むようになったそうです。ルールを厳しくするのではなく、「仕組み」で解決した一例ですね。

三つ目のポイントは、ルールは複数の選択肢から選ばせる、です。

ある中国人営業部長の事例です。ある日、営業マンの一人が怪我をしてしまったそうです。1ヶ月間休みを取るほどの大きな怪我だったので、Aさんの仕事をどう割り振るか問題となりました。以前、病気で3週間ほど休んだ社員がいた際、同僚が休職者の仕事を勝手に取ってしまい、休職者との間でトラブルになったことがあったので、営業部長は、今回をきっかけに「疾病等で急な休職者が出た場合、業務は回りの人で分担してサポートし、復帰後はまた休職者にその業務を戻す」ということをルール化したいと考えました。
営業部長は次のように提案しました。
「Aさんの休職にあたり、今考えているやり方は二つありますが、どちらがよいと思いますか?一つは、休職者の仕事は全員で分担し、復帰後休職者に戻すというものです。メリットとしては、Aさんが戻った時も、Aさんの仕事は滞りなく進んでいて、スムーズに復帰することができます。デメリットとしては、Aさんが復帰するまでの一定期間、皆さんの仕事量が増えます。
二つ目はAさんの仕事を全員で分担した後、そのまま皆さんの仕事にする、というやり方です。メリットは、皆さんの仕事として引き継いでもらいますので、みなさんは大変になりますが、皆さんの担当顧客となるので、売上げを増やすことができます。売上が上がれば、給料も増えます。デメリットは、Aさんの仕事がなくなり、復帰した時に顧客ゼロからスタートすることになります。どちらを選びますか?」
当初、同僚はみな自分の顧客を増やしたいですから、全員一致で後者を選びました。が、営業部長が「これはルール化して、今回だけでなく、これからもずっと適用します。つまり皆さんが不慮の事故にあったときも、このルールを適用します。いいですか?」と問うと、全員が一つ目を選びなおした、ということです。万一自分が休む事になった時、顧客がゼロになるのは良くないと思ったのでしょう。
日本人は、理由もなく「はい、ルールがこうなったから今後はこれに従ってください」というコミュニケーションをしてしまいがちです。しかし、中国ではこのようなプロセスを踏んで、「ルールは、複数(のオプション)から選ばせる」というのは必須の要素だと感じています。 全員が納得して選んだルールだからこそ、きちんと守られるのです。

冒頭のケースに戻り、この3つのポイントを活かすとしたら、どんなことを考えますか。
(1)ルールの意義や成果とのつながりを論理的に伝える
・休憩時間を守ることが、なぜ成果につながるのか?
・休憩時間を守ることで、どんなメリットがあるのか?
(2)細かいルールを設定するより、成果を追い求める仕組みにする
・全員が休憩時間を守ることで、具体的に成果が上がる仕組みは考えられないか?
(3)ルールは複数の選択肢から選ばせる
・休憩時間のタイミングを自分たちで決めてもらうのはどうか?
・休憩以外に、気分転換を図る方法(体操の時間、好きな音楽を流す時間、好きな
おやつを食べる時間、等)を導入できないか?

「ルール守ること、それ自体が目的ではない」という当たり前に立ち戻りましょう。日本人と中国人のものの見方の違いを冷静に見つめ、共によりよい方法を考え、一つ一つ乗り越えていきたいですね。

【安田太郎】中国人とチームになる20の方法:その1

「日中が協業する上での課題は、お互いの必要性を頭では理解しつつも、心でなかなか分かり合えないことだ」
ある中国人経営者と、日中の協業について話し合った時の私の実感です。
日本語、中国語という言語の壁もさることながら、文化(それぞれにとっての当たり前)の壁が両者の目の前に大きく立ちはだかっています。両国の交流の歴史は古く、同じ漢字を使い、同じアジア人なのにもかかわらず、日本人と中国人の間には疑いようのない「心の距離」があります。
今回は、実際起こったケースをもとに、日本人と中国人が、心と心で理解しあい、チームになるための考え方やヒントを示していきたいと思います。
(1)すぐに謝る日本人、絶対に謝らない中国人
<ケース>
赴任から半年がたった日本人派遣社員Aさん。中国で、はじめて部下を持ち、日々業務に打ち込んでいます。中国での生活に慣れてきた今日この頃ですが、最近とても悩んでいることがあります。中国人スタッフに仕事をお願いすると、「できます!」「大丈夫です!」というので任せてみるのですが、実際ふたを開けてみると、全くできていないのです。こんなことは一度や二度ではありません。そこで、通訳を介してじっくり話をきいてみることにしました。すると、そもそもその中国人スタッフはAさんのお願いした仕事自体を理解していなかったことが判明。Aさんは、「もし、理解していなかったであれば、なぜ“できる”なんて言ったのですか?」とイライラしながら質問すると、中国人スタッフは、謝るどころか、あれこれ言い訳ばかり。Aさんの怒りは頂点に・・。

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