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<第五回公開講演会の概要>

演題
「資本主義と良心」
法やルールを犯さない限りにおいて、合理的な方法で、できるだけ多くの利益を得ようとする。このような精神をもつ資本主義経済の発展の原動力となってきたのが、個々人の利欲という自利心(利己心)である。枯木死灰ならざる人間に利を求める自利心があるのは当然で、利欲そのものは否定すべきではない。  
しかし利欲という自利心を「主」とした資本主義は、いまや多くの矛盾や限界に直面している。その緩和・解決策が盛んに論じられてはきたが、例えば「市場の失敗」に課税や規制で対処しようというスタンスに端的に現れているように、それらの議論も常に経済主体の自利心に依拠している。  
本講演では、そうした既成の思考枠組みから一歩踏み出て、これからの資本主義のあり方を探っていくための手がかりとして、〈自利心〉に対置されるところの〈良心〉に着目する。良心とは何かを素朴に深く考えた上で、我々の経済活動・企業経営を良心というレンズを通して見直してみよう。そのとき、例えば戦後の日本型資本主義はどのように見えてくるだろうか。
「良心を軸にした(しかし自利心も十分肯定した)新しい資本主義のあり方」について、現段階では独自の提言を打ち出せるまでには至っていない。それは今後の課題である。ただ、かつて渋沢栄一が唱えた「合本主義」とその理念的根拠となった「道徳経済合一説」は、この問題について重要な示唆を与えてくれる。


講演者
田中 一弘(一橋大学 教授)
経営哲学、企業統治が専門。一橋大学商学部卒業後、株式会社日本興業銀行入行。1999年 一橋大学大学院商学研究科博士後期課程修了。神戸大学大学院経営学研究科助教授を経て、 2003年 一橋大学大学院商学研究科助教授 (准教授) 2010年より 一橋大学大学院商学研究科 教授。主な著書に『「良心」から企業統治を考える』(2014年8月)、『渋沢栄一と人づくり』(2013年3月、共編著)などがある。
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