組織開発とは?

組織開発(Organization Development: OD)とは何か?
組織開発には1960年代から、様々な定義付けがなされてきた。
いくつか代表的な組織開発の定義を以下に紹介する。

組織開発とは、個人や組織の健全さや効果向上を目指して計画される介入行為である(OD is a planned intervention aimed at improving individual and organizational health and effectiveness.)(ジャック・フィッツ・ファズ)

組織開発とは、組織がそのポテンシャルに達するようサポートすることに焦点を置く、マネジメントの一分野である」(OD is a management field that focuses on helping organizations to develop their full potential.)(マサチューセッツ州立大学)

組織開発とは、組織やコミュニティに連鎖的な変化を起こす、価値観主導だがダイナミックな手法である。とりわけ組織やコミュニティや社会が望ましい状態に変わり続ける能力を構築する努力である(ODネットワーク)

1」計画に基づいて、2」組織全体を対象にして、3」トップマネジメントがリードして、4」組織の健全さと有効さを高めるために、5」行動科学を応用して組織プロセスに計画的に介入する事が組織開発である(リチャード・ベックハード)

組織開発は、トップマネジメントに先導され、サポートされて実行され、組織のビジョン設定・権限委譲・学習・問題解決プロセスを改善するための、長期にわたる努力である。継続的で協力に基づいた組織文化の管理であり、コンサルタントやファシリテーターの役割、また、参加者の行動に関する調査を含む行動科学の理論や技術に重点が置かれる(ウェンデル・フレンチとセシル・ベル)

「組織開発」と「組織改革」の違い

組織開発と組織改革の違い組織開発のリーディングカンパニーであるピープルフォーカス・コンサルティングは、「組織開発」と「組織改革」とを比較することによって、組織開発の特徴がより一層明らかになると述べている。

「組織改革」が身体の病んだ部分を除去する外科手術に例えられる一方で、組織開発は漢方薬の服用や日々の運動などの、健康への継続的な取り組みに例えられる。組織改革は、改革者であるスーパー・マネジャー(外科手術における執刀医)を中心に行われるが、組織開発においては社員全員が主役だ。組織改革においては、改革者が施策を打つが、組織開発では施策が育つ「土壌を作る」ことを目的とする。

組織改革の効果が「問題を解決する」ことであるのに対し、組織開発の効果は「問題を解消する」ことだ。端的には、「変える」のではなく、「『変わる』のを支援する」のが組織開発である、と言えるだろう。

組織開発は、環境の変化に対応できる、健全な体質作りに似ている。意思決定をする頭は組織のマネジメント、体は実際の作業がなされる組織の各部署、心は業務に良くも悪くも影響する社員の意識に擬えられる。また神経のはたらきは、組織を司り、機能を促進するコミュニケーションと考えられる。身体がうまく機能するためには、これら全てのパーツが調和よく働かなければならない。また、環境変化に対応できる健やかな身体を作るためには、継続的な健康維持のための努力が必要となる。同様に組織開発とは、全員が参加し、組織全体がバランスよく、継続的に取り組むべき課題なのである。

 

そもそも「組織」とは何か?

組織とは何か

組織開発の対象である「組織」とはそもそも何か、どのように捉えたらよいのか。

ジョン・カッツェンバック氏は、公式の組織より非公式なネットワークのほうが企業活動に大きな影響を与えているという仮説のもと、「インフォーマルなネットワーク」としての組織の捉え方を提唱した。

知識創造企業で著名な野中郁次郎教授は、「知識創造の母体」としての組織という見方の生みの親であろう。

組織開発の分野で広まりを見せたAI (Appreciative Inquiry)などに代表されるホールシステム・アプローチは、「センス・メイキングとしての組織化」という新しい組織観が土台にある。

組織開発の実践者は、ひとつのレンズだけではなく、様々なレンズを通して組織を見るように心がけたい。

ここでは、神戸大学金井嘉弘教授による「10の組織の捉え方」を紹介する。これによると、自分がどのような組織観に基づいているのかを自覚することが重要であると金井教授は述べている。
出典:「経営学入門シリーズ『経営組織』」(日経文庫);著者の承諾の下、転載

 

組織開発に必要な基礎知識

米国の経営学会、アカデミー・オブ・マネジメント(Academy of Management: AOM)は、組織開発(Organization Development: OD)専門家養成コースにおいてクオリティ・コントロールを行うためのガイドラインを作成した。このガイドラインには、以下の分野における知識およびスキルが提示されている。

組織行動学

a. 組織文化
b. 業務デザイン
c. 人間関係(フィードバックをする・フィードバックを受ける)
d. 権力・策略
e. リーダーシップ
f. 目標設定
g. コンフリクト(対立・衝突)
h. 倫理

個人の行動(心理学)

a. 学習理論 [Learning Theory]
b. 動機付け理論 [Motivation Theory]
c. 認知理論 [Perception Theory]

グループ力学

a. 役割
b. コミュニケーションのプロセス
c. 意思決定のプロセス
d. グループ発展の段階
e. リーダーシップ

マネジメントと組織論

a. 計画、組織化、先導、管理
b. 問題解決、意思決定
c. システム理論 [Systems Theory]
d. 条件適合理論 [Contingency Theory]
e. 組織構造
f. 環境とテクノロジーの特性
g. 組織・システム効果のモデル

調査方法/統計

a. 主要な傾向の測定
b. 分散の測定
c. サンプリング理論の基礎
d. 実験計画法の基礎
e. サンプルの推定統計

比較文化の見識

a. 国の文化の特性
b. 業界文化の特性(公的機関・私企業など)
c. システムの示唆。ビジネス・マネジメント原理や実践に関する実用的知識

 

組織開発に必要な基礎スキル

以下にあげたのは、組織開発を効果的に進めるために必要な8つのスキルである。

1. コミュニケーション・スキル:聴く、効果的にフィードバックする、明瞭に表現する等のコミュニケーション・スキル
2. 協力するスキル:部署内、プロジェクトチームのメンバーなどとの効果的な協業が欠かせない。
3. 問題解決スキル
4. テクノロジーの使用
5. 概念化のスキル
6. プロジェクト管理スキル
7. プレゼンテーションスキル
8. 教育・コーチングスキル

また、特に組織開発のプロセス管理に着目すると、事項のような能力が要求される。

 

組織開発を進めるために必要な能力

コンサルティング・プロセスの管理

適切に介入行動に参加・従事し、状況を診断し、介入プロセスをデザインし、実施する能力。プログラム化されていないイベントを管理し、チェンジのプロセスを評価する能力。

分析/診断

システムの有効性を問い、現状の主要な原因を見出すスキル。このコア・スキルは全てのシステム、個人、グループ、組織、複数の組織、また自分自身についても問い、理解する能力を含む

適切・有効な介入方法をデザイン/選択する

組織を現状から望ましい状態に移行させるための介入方法を選択、修正、またはデザインする能力

ファシリテーションとプロセス・コンサルテーション

個人やグループの目標達成を助ける能力。クライアントのシステムが問題の原因となり続けているか、システムによりクライアントが行動やアクションの結果をよりよく振り返ることができるか、コントロールの度合いを高め、能力を向上させていると感じられるか、など、個人やグループのプロセスを探る能力

クライアントの能力開発

将来、計画されたテクノロジーを有効かつ道徳的に利用して、関係者が自立的に計画、実行できるよう、チェンジ・プロセスを実施する能力

評価

組織開発実行に向けての介入がもたらした影響やインパクトを評価するプロセスをデザインし、実施する能力。固定観念にとらわれずに、パフォーマンスの結果に関する説明や解釈ができる能力を含む

 

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