組織開発の期限とTグループ
社会心理学の学者であったクルト・レヴィン(Kurt Lewin)が、マサチューセッツ工科大学で1940年代に行っていたTグループまたはラボラトリー・トレーニングが組織開発分野の発祥であると考えられている。 レヴィンは、人間関係を向上させグループが機能できるようになるには、講義を受けたりするよりも、「いま、ここ」の場で起きている生のグループ体験から得た気づきから学ぶ体験学習のほうがはるかに有効だと考え、Tグループという方法論を生み出した。
平均的なTグループでは、10名前後が1グループとなり、ファシリテーターからは何の指針も与えられず、「いまここで起こっていること」についてただ意見や感情を出すように言われる。最初は、参加者は戸惑うが、自発的に自己紹介を始めたりして、徐々に話し合いが始まる。すると、その場を観察しているファシリテーターからは「うわべだけで話している」「自分のことだけで他者に関心がいっていない」等の率直なフィードバックが与えれる。参加者もそれにつられて率直な意見を述べるようになり、場は緊張感、エネルギーに満ちたものに変化していく。次第に、皆が自己開示をしていき、全員が心を開いた状態になった時に、本来の自分ということに気づきを得るとともに、参加者間の信頼を深めていく。
こうしたレヴィンの考えと手法は、彼の没後、ミシガン大学に受け継がれ、やがて米国では多くの大学やコンサルティング会社に広まっていった。日本でもTグループは1970年代ごろまで人気を博したが、心理操作を目的とした自己啓発セミナーが出てきたことで、Tグループそして組織開発への熱は一気に冷めてしまった。

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