組織開発と働き方改革:「改革の意義や目的は明確か ~働き方改革のカギと具体的な進め方~」

PFC Insightsに掲載された記事(働き方改革セミナー講演録)からの抜粋です。

1) 企業における働き方改革の取り組みの現状

【要約】

  • 今やほとんどすべての企業が、「働き方改革」に取り組んでいる。
  • しかし、取り組み内容は、「長時間労働の是正」を筆頭に、実に多岐に渡る。
  • 何に取り組むにしても、うまく進んでいない組織では、ハード面(人事制度など)・プロセス面(業務へのテクノロジー導入など)に力を入れるものの、「ソフト面の取り組み(=意識改革・組織開発など)」を疎かにしている場合が少なくない。

【講演内容(抜粋)】

「働き方改革」という言葉を耳にしない日はなくなりましたが、ではいったい実際にどれだけの企業が働き方改革に取り組んでいるのでしょうか?
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昨年のデータですが、「既に実施」「現在進行中」で3/4を占めます。「ニーズを感じて検討中」も1/4ありましたが、今では開始していると思われるので、今や「働き方改革」に取り組んでいない企業はほぼないのではないかと思われます。

しかし、取り組み内容は実に多岐に渡ります。
具体的にどういうことに取り組んでいるかを見てみると、どういった調査でも1位は「長時間労働の是正」となっています。あとは「業務の見直し」「オフィス環境の整備」「在宅勤務促進」といったお馴染みの項目が続きます。
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どのようなことに取り組むとしても、問題は、改革の成果をいかに実現するかです。

私は今朝家族に「今日は、『働き方改革』のフォーラムだ」と話したところ、「働き方改革花盛りで、どの企業も大変よね…」「そうなんだ、どこも大変なんだ」と会話が弾んだのですが、「…大変よね…どの企業も『やっているフリしないといけないから。』」という言葉が返ってきて、絶句しました。
本気で成果を出そうとしていない組織は別として、とりわけ、改革がうまく進んでいない組織では、ハード面(人事制度など)・プロセス面(業務へのテクノロジー導入など)に力を入れるものの、「ソフト面の取り組み(=組織風土改革・意識改革など)」を疎かにしている場合が少なくありません。

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2) 働き方改革を進める上でのカギ1(と具体的実例の紹介)

【要約】

  • 働き方改革も当然のことながら「変革」である。一般に、変革の進め方(ステップ)は5つ。
  • 働き方改革に取り組んでいながら、最初のステップ「①WHAT、WHY、HOWを定義する」がきちんとなされていない企業が実に多い。
  • 働き方改革先進企業では、WHATもWHYも問うと明確に返ってくる。だからHOWも紐づいていて改革が進む。

【講演内容(抜粋)】

言わずもがなですが、働き方改革も当然のことながら「変革」です。一般に、変革の進め方(ステップ)は5つで構成されます。

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最初のステップは、「1. WHAT、WHY、HOWを定義する」です。何事も、本質を簡潔に語れるようにしておくことの重要性は言うまでもありませんが、あらためて聞きます。まず、皆さんは、自社が働き方改革に取り組む目的を明確に語れますか?
他社の事例を聞いて参考にして、様々な取り組みにトライするものの、取り組みに矛盾が生じたり、焦点がブレたりしていくのは、真の目的が詰められていないからに他なりません。

働き方改革先進企業は、WHY(なぜ取り組むのか)を明確に掲げています。何のために働き方改革を行うのかを問うと、即座に答えが返ってきます。

  • 「イノベーションの創出を加速化させること」(リクルート)
  • (従業員が自分の)「生き方を決めること」(ユニリーバ・ジャパン)
  • 生産性倍増(日本電産)

働き方改革の目的は、次の5つに集約できるとPFCは考えています。詳しい内容は「働き方改革再考のためのガイドブック(末尾にご案内があります)をご覧ください。働き方改革に自社が取り組む目的を即座に明確に答えられなかった人は、これを参考にあらためて考えてみてください。

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先進企業ではまた、WHY(なぜ取り組むのか)が明確なので、自然とWHAT(何に取り組むのか)も明確になっています。
たとえば、長時間労働の是正一つとっても、そのために皆さんの会社では何に取り組んでいますか?

Google では:
1. Work Anywhere 在宅で仕事する
2. Work Simply会議の無駄を減らす
3. Work Shorter決めた時間に帰る

ユニリーバでは:
1. WAA(Work Anywhere Anytime)
2. 残業時間月45時間以内

といった具合で、極めて明快です。

『「早く帰れ」おじさんと「結果出せ」おじさん、どっちの上司の言うことに従えばいいの?』という広告が話題になりました。こうした矛盾が現場で渦巻くのは、WHYが明確でないまま、HOW ばかりが先行することに起因すると考えています。

3) 働き方改革を進める上でのカギ2(と具体的実例の紹介)

【要約】

  • 4つ目のステップ「4. 変革の遂行ケイパビリティを向上させる」を意識し、力を入れている企業は極めて少ない。
  • どのような改革であっても、変革の遂行ケイパビリティ、つまり、求められる変革に必要な能力を各人が向上させなければ、仕組みなどを整えたとしても、真に成果をあげることはできない。
  • 働き方改革において、その遂行に必要な能力とは、例えば、指示と支援を的確に使い分けられるスキル、権限移譲のスキル、生産性の高い会議を行うスキル、など、マネジメント能力だ。

【講演内容(抜粋)】

カギとなるもう一つのステップが、4つ目の「4. 変革の遂行ケイパビリティを向上させる」です。

私達が接する限り、働き方改革で仕組みの導入や制度の変革には注力するものの、「4. 変革の遂行ケイパビリティを向上させる」のステップを意識し、そこに力を入れている企業は極めて少ないと言わざるを得ません。

どのような変革にも、それに伴って、各人が新たに身につけなければならない能力(考え方やスキル)が存在します。 例えば、「グローバル化」であれば、どの企業もこぞって語学力に力を入れていましたが、実は最も重要なスキルは、異文化理解力でした。 働き方改革を遂行するのに、各人にはどのような能力向上が求められるでしょうか?

マネージャーには、権限移譲(部下に移譲しながら適切に関与する)のスキル、会議運営(生産性の高い話し合いを定期的に行う)のスキル、指示と支援(メンバーがより効率よく仕事ができるようにする)のスキル等で、高いスキルを身に着け発揮することが求められます。 一方のメンバー側にも、業務マネジメント(自ら積極的に自分が集中すべきことを明確にする)のスキル、上司マネジメント(必要な指示と支援を求める)のスキル、会議運営(生産性の高い話し合いを行う)のスキル等の向上が必要となります

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