ホールシステム・アプローチとは
1980年代から1990年半ばにかけて、米国で開発されたホールシステム・アプローチは、組織内の上下や、分野、部署間の壁を取り払い、特定の課題やテーマに関わるできるだけ多くの関係者が一堂に会して行われる、大規模な話し合いの総称である。市民活動や教育、国際紛争の解決など、様々な分野で利用されているが、ビジネス分野でも、組織管理の手法として、注目を集めている。

ホールシステム・アプローチにおいては、テーマや課題に関わる全ての事柄や関係者を一つのシステムと見なし、全てのステークホルダー、あるいはその代表者たちが、話し合いの経過を共有しながら、創造的な意思決定を目指す。また、参加者同士の関係や、話し合いの質、プロセスを重視する。ホールシステム・アプローチ実施の、確立された手法には、以下のようなものがある。

ホールシステムの手法

ワールドカフェ
カフェにいるようなリラックスした環境で、様々な職種や職制の参加者が少人数に分かれたテーブルで、特定のテーマに関して自由に対話する。時々テーブルのメンバーを変えながら、話し合いを発展させて行く。
「知識や知恵は、機能的な会議室の中で生まれるのではなく、人々がオープンに会話を行い、自由にネットワークを築くことのできる『カフェ』のような空間でこそ創発される。」という考えに基づいている。
オープンスペース・テクノロジー(Open Space Technology: OST)
あるテーマについて、関心や情熱をもつ関係者が自主的に話し合いの機会を設定し、立場や建前に阻害されない自由な話し合いを進める。課題の提示、スケジュール設定や準備などを全て、参加者が自主的に行う。個人の主体性を重視することによって参加者のコミットメントを引き出し、強固な集合的意思の形成を目指す。
近年、企業のビジョン設定や長期的課題の解決などに使われ、IBMやP&Gなどの大企業で導入されている。
アプリシエイティブ・インクアリー(Appreciative Inquiry: AI)(Open Space Technology: OST)
米国ケース・ウエスタン・リザーブ大学のデービッド・クーパーライダー教授とタオス・インスティチュートのダイアナ・ホイットニー氏らにより、1987年に提唱された「組織の真価を肯定的な質問によって発見し、可能性を拡張させるプロセス」。問いかけや探求(Inquiry)によって、個人の価値や強み、組織全体の真価を発見し、認め(Appreciative)、それらの価値の可能性を最大限に活かした、最も効果的で能力を高く発揮する仕組みを生み出す。
詳しくは、こちらを参照。
フューチャー・サーチ(Future Search)(Appreciative Inquiry: AI)(Open Space Technology: OST)
マーヴィン・ワイスボード氏とサンドラ・ジャノフ氏によって1995年に完成された。オープンスペース・テクノロジーとは異なり、利害の異なるステークホルダーが一堂に会し、過去と現在の状況を理解・共有した上で、皆にとって望ましい未来の姿を描く。その上で、各ステークホルダー間の協力関係を生み出し、参加者が自己の責任においてアクション・プランを作成する。

 

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