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会社ですぐに使えるファシリテーション
日経情報ストラテジーに連載中の、PFCコンサルタントによる「会社ですぐに使えるファシリテーション」から一部をご紹介します。
全文は日経BPのサイトにて検索・ 購読ができますので、どうぞご活用下さい(有料になります)。

▲第1回はこちらから

▼▼ 第13回:ファシリテーター型リーダーシップの実現に向けて ▼▼
われわれが、フランリースの『ファシリテーター型リーダーシップ (プレジデント社)』を日本に紹介し、ファシリテーターズクラブ を立ち上げてから7年。ファシリテーター型リーダーがますます注目を集めています。

今回は、「背負い込みから脱却、支援上手で組織力向上」をご紹介します。

「ファシリテーションの必要性」を口にする経営者が増えています。 ジョンソン・エンド・ジョンソンでは幹部研修で「カリスマになるな」と教えられます。あるいは、強烈なカリスマ経営者として知られたスズキ(株)会長の鈴木修氏は、70歳を過ぎてから、「これからはチーム経営だ」と言い出しました。 これらの背景には、カリスマ型経営者の限界が見え隠れしています。
・不確実性と複雑さが高まる今日において、ひとりの人間が全てを見通すことは難しい
・カリスマ型リーダーは近寄りがたく、現場の情報があがってこなくなる
・周囲の人間がカリスマ頼みになり、主体的に物を考えなくなる
・後継者が育たない

経営者に限らず、職場でも自分で全てを背負い込んでいるリーダーは少なくありません。そのようなリーダーのスタイルは、リーダー自身も疲弊するし、メンバーたちには「やらされ感」が募る一方となります。 リーダーだけが解を示して引っ張ったり、一方的に指示伝達するば かりでなく、メンバーたちにも考えさせ、議論をさせて、意思決定に関与させることが求められます。 例をあげてみましょう。 それまで牽引型リーダーシップを発揮していた、ある業務改善プロジェクトのリーダーであるA氏は、ある日思い切って次のように切り出 してみました。 「役割分担を見直して、より良い方法を皆で考えたい。これまでの役割分担についてどう思っているか聞かせてください」 メンバーたちは一瞬驚きましたが、一人またひとりと意見を述べ始め、やがて全員での議論に発展し、最終的には以前より業務負荷のバランスのよい役割分担となったのはもちろん、プロジェクトに対するメンバーの当事者意識や一体感も格段に高まったといいます。

▼▼ 第12回:自分たちへの「挑戦状」でやらされ感を払拭 ▼▼
前回に続き、バリューワ ークショップの様子をご紹介します。

「私たちが目指す顧客サービスの形」というテーマで、10分程度の短い劇を行ってビジョンを共有した後は、このビジョンを実現するための行動計画作りにとりかかりました。これは具体的なアクションプランを列挙したリストではなく、現在の自分たちに対する 「挑戦状」という形式をとって、「やらされ感」を払拭しました。 この過程でプロジェクトリーダーであるA氏が「私たちの挑戦は、日本の顧客サービスのモデルになることなのではないか」とつぶやきました。これは当初から準備されたものではなく、A氏がワークショップを通してメンバーとコミュニケーションする中で、ふっと生まれてきたコメント。このコメントがチームメンバー全員の心に火をつけ、このときの感動が、その後のプロジェクトの機動力となっていきました。

こうしたピークの瞬間を作り出すことは、ハイパフォーマンスチームの形成における鍵を握っていますが、そうそう簡単にできることではありません。その意味で、バリューワークショップのファシリテーションは、むずかしくもあり、やりがいのある役割だといえるでしょう。

▼▼ 第11回:ビジョンを「劇」にする ▼▼
前回に続き、バリューワ ークショップの様子をご紹介します。

自分の価値観や、組織のビジョンについて改めて語り合ったあとは、 「私たちが目指す顧客サービスの形」というテーマで、10分程度の短い劇で表現することを行いました。作り上げたビジョンを、字面だけでとらえるのではなく、完全に理解するために2時間の対話を行い、さらに5感をフルに活用した「劇」の形にまとめる作業です。お互いの理解があいまいなままでは作品は作れません。対話を通じて、一体感を醸成することができます。 また、「劇」を見る側も、言葉だけではなく、表情や体全体から発せられるメッセージを感覚的・直感的に受け取ることができます。

このチームの「劇」では、独創的な演出が相次ぎ、涙を流して感動したメンバーもいました。終わった後の振り返りでは、
「あのときの表情には自分も共感できた」
「あのときの手を差し出した動きには、どんな意味がこめられていたのか?」
といった対話の中から、観客を含めた多くのメンバーが感動したポイ ントが明確になっていき、それこそが自分たちの理想とする姿であり、 共有できるビジョンなのだということが確認されました。 (つづく)
▼▼ 第10回:「至高体験」のシェアで話し合いを前向きに ▼▼
今回のテーマも、前回に引き続き「チームワークを醸成して変革ファシリテーションを成功させる」です。

各部門から2~3名ずつのメンバーが集まった、顧客サービス戦略策定のプロジェクトを発足にあたって、A氏が行った取り組みのふたつめは、バリューワークショップ。まずは、メンバーを二人一組にして、それぞれの「至高体験」について60分ずつのインタビューを互いに行ってもらいました。

ビジョンや価値観の策定に当たって「話しあって決めましょう」とい うアプローチでなく、メンバーのひとりひとりが自分自身の価値観や、この取り組みに対する考え方を明確にし、表現してもらうことがこのワークショップの要諦で、その第一段階として行ったのが、自分の仕事の中での至高体験をトリガーに、そこで学んだことや意識の変化、理想とする組織像などに話を発展させていくことでした。 このような体験を思い出し、語るときは、思考が前向きになっていくので、変革に対して積極的に取り組む意識を醸成できる効果もありました。

ペアでのインタビューが終わった後は、全体の20名を3つのグループにわけて、自分の価値観や、組織のビジョンについて改めて語り合ってもらいました。 (つづく)

▼▼ 第9回:チームワークを醸成して変革ファシリテーションを
成功させる
▼▼
今回のテーマは「チームワークを醸成して変革ファシリテーションを 成功させる」です。

変革推進の成功には、変革推進チーム自体の「チームワークの醸成」が欠かせません。
ひとことで「チーム」といっても実態は様々です。PFCでは、これを3段階に分けて考えています。

(1)グループ(個人の集合体で、各メンバーが持つ力の総和以上の成 果は生まれない
(2)チーム(明確なゴールと役割が設定されており、メンバーの総和以上の成果が期待できる)
(3)ハイパフォーマンスチーム(メンバーが有機的につながりあい、それぞれの役割を越え助け合いながらゴールに向かう)

変革推進チーム自体が(3)のハイパフォーマンスチームとして存在することが、変革の成否を握るといっても過言ではありません。

ある企業では、顧客サービス戦略策定のプロジェクトを発足させるにあた り、各部門から2~3名ずつのメンバーを集め、総勢20名のチームを組みました。 リーダーのAさんはまず、顧客の声や社員の意識調査の結果などのデータをチームでシェアすることによって、メンバーの危機感を醸成し、メンバーたちが自由に話し合う場も設けました。

ここまでは通常のプロジェクトでもよく行われていることですが、Aさんはさらに、メンバーの一体感を高めるために、バリューワークショップというセッションを行いました。(つづく)

▼▼ 第8回:ファシリテーションによる組織変革 ▼▼
今回のテーマは「変革活動におけるファシリテーションの活用」です。

変革には、トップダウンで変え得るものと、変えにくいものがあります。 この「変えにくい」ものは、手段を尽くして「変える」のではなく、むしろ「変わる」ように仕向けることが有効です。これを支援するのが変革のファシリテーターなのであり、変革の過程で関わる様々な人々が、主体的に「変わる」ように支援する役割を担っています。

風土変革プロジェクトを立ち上げたある企業では、社長の指揮のもと、各部門からメンバーを集めて議論を行い、ビジョンを共有しました。ところが、そのビジョンを実現するための具体的なアクションプランの策定を各部門に任せたところ、その後の進捗がとまってしまいました。 このような場合には事務局がファシリテーターとして、どのような目的で、何をゴールに、どのタイミングで、誰が何を行うのかなどの進め方の枠組みを設定し、プロセスの組み立てを支援することが欠かせません。

▼▼ 第7回:定例会議のファシリテーション(3) ▼▼
今回は、「定例会議のファシリテーション」の第3回目です。

今回は「技術開発の判断会議」のファシリテーションを依頼されたケースです。
この会議は、前半の開発チームの経営陣に対するプレゼンテーションではプロセスの詳細や開発の苦労話に焦点があてられ、これに対する後半の経営陣からの発言は「ところで」という言葉で始まる質問に終始していました。

われわれは、この会議の問題点は「的」がないことだと感じたので、 議論の焦点となる「的」の設定を提案しました。

すなわち
・経営陣に対しては、開発案件の継続について判断する項目と基準を確認
・開発チームに対しては、その基準に即してプレゼンを行うことを確認
実際の会議でもホワイトボード上に「的」を作り、討議の内容をここに書き出して行きました。
判断、すなわち意思決定が必要な会議においては、判断基準を明確にし、そこに向かって材料を並べ、討議をしていくことが欠かせません。

▼▼ 第6回:定例会議のファシリテーション(2) ▼▼
今回は、「定例会議のファシリテーション」の第2回目です。

担当者が作成した企画書や提案書を、チームでレビューするという会議が、毎日のように行われていたシステムソリューション企業でも、「時間をかけているのに、なかなか顧客にアピールする内容にならない」 という問題を抱えていました。 このレビュー会議を観察し、2つの問題に気づきました。

・参加者が、50ページ以上に及ぶ提案書に、ミーティングの場ではじめて目を通している。
・その結果、ミーティングの後半になって、前提を疑問視したり、そもそも論がでてきてしまって、代替案も出ず、議論が収束しない。

この状況から抜け出すためにファシリテーターが提案したのは、「議論のステージをふたつにわけること」でした。

・前半はたたき台を用意せず、各自がコンセプトを持ち寄って自由に議論し、「発散」の時間とする。
・ある程度方向性が固まってきたら後半のステージに入り、誰かが最終成果物のたたき台を用意し、それをもとに話を進めていく。

このようにすることで、アウトプットの質の向上はもちろん、参加者のモチベーション向上も実現したのです。

▼▼ 第5回:日常の会議を見直そう ▼▼
今回は、「定例会議のファシリテーション」がテーマです。

先日ある企業から、「定例会議を観察し、改善の余地を提案してほしい」という依頼を受けました。

実際に会議を観察してみると、大きな問題のひとつは、この会議の目的に齟齬があったことでした。主催者にとってこの場は「進捗の思わしくない事項について討議する場」でしたが、参加者や私の目にはただの「報告会」と映りました。実際、報告に要した時間、質問・討議の 時間を計測してみるとこの傾向は明らかになりましたし、参加者の発言の統計結果からもごく一部からの発言しかないことがわかりました。

目的を「討議」とするなら、話し合いを促進するためのプロセスを事前にしっかりと設計する必要があります。進行の設計、議題ごとの時間設定はもちろん、報告時間と討議時間を分ける、討議すべき論点を明 確にするなど、行うべきことは数多くあるのです。

▼▼ 第4回:業務を図で「見える化」部門の利害越え最適化▼▼
前回までは、ワークショップのプロセスとして

■プロセス1:場を作る
■プロセス2:関係を築く
■プロセス3:問題意識を共有する
■プロセス4:課題領域を特定する
をご紹介しました。

今回は、これらに続き、 「プロセス5:解決策とアクションプランの策定」 からご紹介しましょう。

プロセス4で課題領域と優先順位が明確になったら、解決策の策定に着手します。 A社のケースではすぐに部門間の対立が起こりました。簡単に言うと

「A部門が先に業務処理をしてからB部門に共有する」
「B部門が先に業務処理をしてからA部門に共有する」

このふたつの案が対立し、いくら話し合っても話は平行線をたどるばかりでした。

そこでファシリテーターは、いきなり解決策の最終案をまとめようとするのではなく
「Must/Can/Will」という枠組みを使うことにしました。 すなわち
・Must:ぜったいにしなければならないこと
・Can:実行できること
・Will:本来こうしたいこと

の3つの観点から、問題の本質を確認しなおしたのです。 「すべき」「やれる」「あるべき」、それぞれ単体では現実的な解とはなりませんが、だんだんとその3つが重なり合う点に向かって、全員の意識が向かい始め、議論が前に進み始めました。

▼▼ 第3回:ワークショップで組織の問題を解決する▼▼
前回はワークショップのプロセスとして

■プロセス1:場を作る
■プロセス2:関係を築く
■プロセス3:問題意識を共有する
をご紹介しました。

今回は、これらに続き、 「プロセス4:課題領域を特定する」 からご紹介しましょう。

ワークショップにおける場の設定、参加者の関係構築、問題意識の共有などのプロセスを経て、いよいよ課題の本格的な定義に入ります。重要課題の絞込みができたら、これを整理し、全員で共有する ために、「見える化」を行なっていきます。

例えば、一例としてプロセスマップがあります。 現状の業務のステップや部門間の連携を整理し、壁一面の大きな絵に表すのです。これをあらかじめ作っておくことで、議論を進める 際に、どの部分の話をしているのかを全員が意識しながら進められると言うメリットもありますし、全体像を描くことによって、様々な観点からの意見も出やすくなるのです。

続いて、プロセスの中で問題のありそうな箇所、問題の内容を書き込んだり、連携が特にうまく機能していない箇所について議論を行ったりという作業を行っていきます。このような作業を通じて、どの課題に時間と労力をかけて解決していくべきかと言う共通認識を醸成していくことも欠かせません。

▼▼ 第2回:意見やアイデアで触発 ワークショップを活用▼▼
ワークショップの設計と運営

【プロセス1:場を作る】 ワークショップに集まってきた人々には温度差があります。「何とか課題を解決しないと自分の業務が回らないから、積極的に意見しよう」 と考える人がいる一方で「この忙しい時に二日間もかけて何をするんだ」と懐疑的、反抗的にとらえる人もいます。こうした差を埋め、できるだけ多くの参加者が前向きにワークショップにのぞむ土壌を最初に作る必要があります。

【プロセス2:関係を築く】 各社員と事業部長との信頼関係が十分に築けていないことが課題だったあるワークショップでは、「リーダー・アシミレーション(同化)」というセッションを行いました。まず事業部長を交えずに「リーダーについて知っていること/知りたいこと」「リーダーに知ってほしいこと/期待すること」などを参加者が自由に語り、その後事業部長を交えて、社員らの質問や意見に答える形で「最近の業績低下をどの程度深刻にとらえているか」「事業部の進むべき方向はどこにあるか」などについてコメントしていきます。こういったやり取りの中で、変革への取り組みのための議論に集中できる雰囲気が醸成されて行きました。

【プロセス3:問題意識を共有する】 この事業部が変革に向かう上で最も足りないものは、問題意識や危機感のずれだと感じていたファシリテーターは、リソース配分の理想像や業績のシナリオ作りを通して、参加者の問題意識を共有して行きました。

▼▼ 第1回:「会議進行術」を超えて、組織成果を最大化する▼▼
第1回めは 『「会議進行術」を超えて、組織成果を最大化する』をテーマに、ファシリテーターの4つの役割をご紹介します。

【役割その1】中立的な立場になる
ファシリテーターの中立性の必要性を説くと、よく「自分は会社で中立的な立場になり得ない」という人がいます。自分の置かれた立場に立脚したり、所属する組織を代弁したりせねばならないというわけです。しかし、立場や組織を越えた議論や検討がなされることが、今日の時代に最も求められているのではないでしょうか。

【役割その2】「プロセス」を管理する
ファシリテーターが管理すべきなのは議事進行にとどまりません。たとえば「ある問題の解決策を策定する」のが求める成果であるとすれば、問題解決のロジック展開はどうあるべきか、その問題を深く分析するにはどのようなツールがよいか、解決策を創出するにはどんな議論手法が適しているか、などについても考えなければなりません。

【役割その3】「チームワーク」を醸成する
ファシリテーターは会議をチーム活動と見なし、その意識を会議の参加者にも植え付けなければなりません。チームが成功するには、全員が総力をあげなければならないというのは至極当然の話ですが、ほとんどの会議ではそのことが忘れ去られています。

【役割その4】成果が最大化するように支援する
支援しているチーム活動の目標からぶれないようにすること、そして、真の成果は戦略や改善案などを「策定すること」ではなく、その策を「実践・実行すること」で得られると認識することが欠かせません。策定プロセスに参画した人々は、策の実行に対するコミットメントがはるかに高まります。

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