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ビジョン作りとは
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組織が一丸となるにはビジョンが重要であり、今やビジョンの意義は幅広く認知されている。優れたリーダーというものは、メンバーらの気持ちが高揚し、チームの勢いを増進するようなビジョンを提示ししている。 しかしながら、思うようなビジョンの威力を享受させることができず、困惑しているリーダーが後を絶たないのも現状である。
ピープルフォーカス・コンサルティング社の10年におよぶ事例分析から、ビジョンに関する典型的な問題点が見えてきている。主なものとしては次のとおりである。
・ 業務課題を羅列する。
・ 他社の事例を集めて、良いとこ取りする。
・ 漠然としてイメージがわかない。
・ 複雑すぎて理解が難しく覚えられない。
・ ワンフレーズ表現。
・ インセンティブをつける
・ 状況の変化にあわせて改定してしまう。
まずよく見られる失敗例は、ビジョンの内容が業務課題の羅列になってしまっているケース。明日から取り組むべきことは、業務上の課題であって、ビジョンではない。また、自社のビジョンを作るために、他社の事例を集めて良いとこ取りをしようというケースもみられるが、組織の方向性というよりは“上手な”ビジョンを作ることが目的化してしまっており、本末転倒になってしまう。
「ビジョンが漠然としている」ケースには原因が2通り考えられる。ひとつは本当にビジョン内容が漠然としすぎである場合。もうひとつは、ビジョンを具体的にイメージ化できない社員側の問題。ビジョンは戦略や計画とは違う概念であるのだから、ある程度漠然としたものでよいが、ビジョンは具体的すぎると状況に適合しなくなるリスクがある。
ビジョンが漠然としているのも問題だが、ビジョン内容が複雑すぎるのも問題だ。ビジョンは、誰しもが共有でき、空でいえるくらいの内容が好ましい。かといってワンフレーズビジョンも問題が生じる場合がある。ワンフレーズ表現は、幅広くビジョンを理解し記憶してもらうためには有効な方法であるが、ワンフレーズで表現することで、社員は将来をイメージすることができなくなることがあるからだ。
高尚であるべきビジョンに、安易なインセンティブを付けるケースがあるが、これはアメとムチがないと人間は動かないという考え方に支えられている。しかしこの考え方には限界があり、そもそもビジョンは人間に内在する情熱の芽を開花させるために存在することを思い出してほしい。
変化が激しい今日においては、変化に柔軟に対応していくこととは必要だが、戦略や戦術を機敏に変更することと、ビジョンの改定とを同次元で考えてはいけない。ビジョンは目まぐるしい変化にも揺るがないものでなくてはならないのだ。
上記の問題点に当てはまっていないか、自分の組織のビジョンを見直してほしい。ビジョンは必ずしも「正しく」なくてもいい。ビジョンを作り上げ共有しようとするプロセスこそが、組織やチームに大きなエネルギーを注入するのだ。不完全なうちから、どんどんメンバーや周囲の人にビジョンを語ってみて、意見を交換するとよい。構想力が刺激され、ビジョンがさらに研ぎ澄まされることであろう。
その過程でリーダーは、相手の想像力を掻き立てるような話し方の工夫が求められ、さらにメンバーたちがイメージを抱けるよう支援しなければならない。そのためには、ただ一方的に熱く語り続けるだけでなく、ときには、静かにメンバーたちが思いをめぐらすあいだ、静かに時が流れるのを待つことも必要である。あるいは、メンバーの想像という行為を助けるために、問いかけることも有効である。逆にメンバーから問いを投げかけられることもあるだろう。ビジョンの浸透のためには、事を急くよりも、熟成させるような感覚で取り組むとよいだろう。
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