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モチベーションとは
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| ■■■ 従来のモチベーション理論には限界がある ■■■ |
変革の時代においては、従来のマネジメントの考え方が通用しない。そのことは、ことあるごとに説かれている通りだ。そして、人を動かすモチベーションについても同じことがいえる。
従来のモチベーション理論には「仕事を始める前に、その仕事がどのようなものかが分かっている」という前提があった。しかしながら、今日の経営環境には不連続で予測し難い変化がつきものである。事前に想定したり、計画したりすることでは対応できない仕事が増えている。綿密に計画しても、実行段階に入ったとたん、予測していなかったことが次々と起こる。
このような先が見えない仕事をする人間を、どのように動機づけることができるかを今日では考えなければならない。
モチベーションを高める方法といえば、信賞必罰にしくはない、と考えるマネージャーはいまだに少なくない。優れた業績には報酬を、そうでないものには罰を与える。それによって、優れた業績を促進し、そうでない行動を抑制する。いわゆる「成果主義」が幅を利かすようになったのは、この信念に基づくものである。
「あめとムチ」は運用次第では大いに効果があるが、その効果はあくまでも一過性だ。長期的で根本的な効果があがらない。あめを使えば使うほど効果はうすれ、モチベーションは下がる。ムチを使えば使うほど使う意味がなくなる。
これは、問題を解決すればするほど、さらに問題を解決しようというエネルギーを減じてしまうという一般現象であり、緊張構造の欠如として知られている。手に入れたいもの(あめ)や避けたいもの(ムチ)が行動を推進する。そして、それが失せた途端にエネルギーが途絶えてしまう。
また、同じあめとムチが相手によっては通用し、相手によっては通用しない、同じ相手でも、今日は通用したものが、明日は通用しない、ということもある。ストックオプションというインセンティブが通用する相手もいれば、通用しない相手もいる。人の欲望や願望はダイナミックに変わるのだ。
あめとムチを使うなら、何の目的で、相手のどの欲求を充たすのか、そして、相手の欲求が成長や発展によって高次化するとき、どのように変化していけるのか、その方法がいつまで使えるかを見定めなければならない。そして、モチベーションを高めるインセンティブの限界や弊害を認識する必要がある。
人間のモチベーションに究極の答はない。しかし、人間の普遍性に着目すれば、「あめとムチ」の限界と弊害も見えてくるし、効力感(目前の出来事に対する自分の効力を信じられる状態)と未来傾斜(未来への見通しを信じられるかどうか)が変革の時代のモチベーションを紐解く鍵であることも理解できるだろう。
答はなくとも、常に問いを発することができる。あなたは今、なぜ今の仕事に打ち込めるのか。あなたの部下はなぜ今の仕事に打ち込めるのか。もし心底から打ち込んでいないとしたら、仕事を愛し、組織を愛し、自分の成長や成熟を慈しんでいる未来の自分を想像してみよう。その立場からもう一度あらためて問いを発してみるといい。
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